第2話出会い

私たちが出会ったのは、宏が働いている会社に事務のアルバイトとして私が入社したからだった。

 社内ですれ違った瞬間、私が一目ぼれをしてしまった。

 私達はお互いの部署を行き来するうちに、次第に言葉を交わすようになっていった。


 だけど私達が付き合うことになってからも、社内の人たちには内緒にしていた。

 私は入社して日が浅かったせいもあるけれど、親密な話をできる人がいなかったからだ。

 なんとなく部署内でも馴染めていないと感じていた。

 そんな中で、宏と付き合っている事が知れ渡ったら余計に浮いてしまうし、部署のお局様に知れたら……と思うとマズい。  

 表面上の話はできても、恋愛の相談ができる人は残念ながらいなかった。

 でも宏には専門学校から一緒の友人がいたのに、私の事を紹介しないのは不満だった。


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