第2話
「あ、うん。おはよう星谷(ほしたに)さん」
一応朝の挨拶は返しておく。挨拶は人として結構大事だと思うし、小さい頃から祖父に言われてきている。
「おはよう 睦。お父さん あんたが起きる前にサイクリング行ったわよ(俺の父は毎週末になると、サイクリングで20Kmくらいは離れた場所に仲間と行き返ってくるという面白い趣味を持っている。) そんなことより、睦 あんた!!どうなってるの?!」
母がすごい形相でこちらを見てくる。先程挨拶を交わした少女(星谷)は俺の母をなだめようとするが、多分こりゃだめだ。仕方がないので母に全てを話すことにした。
「俺さ、今(仮)だけど この子(星谷)と付き合わせてもらってんだ。」
本人がいる前で恥ずかしいが、俺は母の怒りをおさめる為に本当のことを言った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今、俺ら親子の話になっている星谷梨藹(ほしたに りあ) は昨日できた(仮)の彼女だ。星谷は茶髪ショートの少し幼さが残っている顔立ちの可愛い系の同じクラスの女の子で貧乳、漫画研究部に所属している子である。中学校から高校までのつまりは4年間(今俺らは高校1年生だからね)俺と同じ学校に通っているのだ。しかし、今まで同じクラスになったことがないせいか昨日(高校1年の初夏)になり初めてまともに喋った。別に幼馴染でもなければ、血の繋がった…みたいな展開ではない。本当に赤の他人だった。(一部では天使とも…)
俺のつるんでいる男友達はみな他の4人のうちの学年いる美少女達と星谷をまとめて
"我が校のプリティーエンジェルズ"
と呼んでいる。そんな危なそうな奴らと関わるのはやめた方がいいと思うかもしれないが、あいつらといるとマジで面白い。
まあ、そんな熱心なエンジェルズ信者(末期たちから一度も星谷の悪い、アンダーグラウンドな噂を聞いたことがない。他の4人のメンバー(勝手にアイドルみたいにグループにまとめた)には1つくらいは悪い噂があった。(まあ、人間だからねー)
"だだの一つも悪い噂がない"
これは、少し疑っても良いのではないか?
そう言った意味で少し、クラスメイト達に星谷の噂かないか聞き取り調査を行ったのが昨日の朝から昼まで。そしたら、最後の授業のホームルーム後に星谷自ら俺の席の元にきて無言で手紙(?)を置いていった。
内容は、放課後に特別棟の4階と3階の間の階段に一人で来てくれ というものだった。
普通、世の中の男子はここで 「何?あの子ほんとは俺の事好きなの?」 とか勘違いするだろうが、これは罠だ!!
きっと聞き取り調査をしている俺にバレてはいけない事があったのではないか。そう考えてしまうのだ。さらには、特別棟なんでほとんど人っ気がない場所だ。そんな場所で何をされるんだろう… 俺は腹を決めて特別棟へ向かった。
百好きは一好きに換算 歩瀬 ゆきなり(ふせ ゆきなり) @FuseSW
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。百好きは一好きに換算の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます