◇SNS スイーツウォーカー


キョーコ:前日発売の書店を発見したよ! 今なら何冊か買える。いる人!


ユー子:はい! 一冊お願いします。


シズ:はい! 同じく一冊お願いします。


ラン:なになに? いったい何の話?


サキ:それはもうあれでしょ。もうネットではかなり話題になってるよ。


キョーコ:スイーツウォーカー増刊号。王子が載ってる。っていうか、表紙も王子。特集も王子。王子特集号みたいなやつ。


ラン:おうっ! それは見てみたい。やだ、教えてくれたらいいのに。明日発売なの?


サキ:ユー子たちなら、てっきり予約していると思ってた。


ユー子:もちろんしてるよ。それも三冊。観賞用と保存用と加工用。でも持ち歩き用にもう一冊あってもいいし、今日見れるなら今日見たい。


キョーコ:とりあえず、私の分を除いて五冊確保中。見ている側から山が減っていくから、めっちゃ慌てちゃった。顰蹙をかうといけないから、もうレジに行っちゃう。


ひな:スイーツウォーカーなら私も一冊よろしく。ネットじゃもう完売だし、その感じだと明日も買えるかどうか分からないね。


キョーコ:了解。あと一冊は予備でいいかな? ユー子とシズには後で手渡し。ひなは明日渡すね。


ラン:今現在外にいるってことは、キョーちゃんは今日は午前授業か。三人であとで落ち合うの?


シズ:うん。私の家に来ることになっているから。


ユー子:三人で次のデートの相談です。またグループデートだから。


ミカ:それって、もしかして結城くんちの神社のお祭りに行くの?


シズ:そう。大国祭り。お店が沢山出て面白そうだし、息抜きにいいかなって。


サキ:私とミカも行くよ。結城くんが売店にいるらしいから、それ目当てで。


ひな:おっ! なんか急に積極的な感じだね。もしかしてアプローチ解禁になったの?


ラン:わぉ。再挑戦ですか。頑張れ! 応援してる。


チカ:つまり、例の縁談がやっと流れたのか。


ミカ:実はそうっぽい。三カ月も粘ったけどいい返事が聞けないから、さすがに相手が諦めたって男子たちが話してた。


サキ:でも、特殊な事情があったとはいえ、私たちも一旦は断られてるでしょ? だから、いきなりアプローチもなんだから、今回は手応えというか、感触を確かめに偵察に行くの。


チカ:そっか。でもバレンタインのときはいい感じだったんだから、いけるかもよ


サキ:それが、確かに感じは良かったんだけど、手応えっていうほどハッキリしたものじゃなかったのよね。だから自信はない。


ラン:でも、あのクールでつれない結城くんが、即答で断らなかったんでしょ? なら、見込みがあるんじゃないかな?


チカ:私もそう思う。結城くんは、その気がなければ返事を引き延ばさないタイプだよ。


ミカ:励ましありがとう。そうだといいなと自分でも思ってる。往生際が悪いけど、頑張ってくるね。


チカ:そっかぁ。みんな神社に行くんだね。いいなぁ。


ひな:あら、上杉くんは神社にいかないの? ちなみに私は、北条っちと縁日デートの予定あり。


ラン:それがね。上杉くんから声はかかったけど、誰と行くかでちょっと揉めていて。


キョーコ:そっちは所帯が大きいものね。やっぱりそうなると全員で行くわけにはいかないか。


サキ:うん。総勢六人だと、一緒に行動するのも大変なんだよね。本当は、ランちゃんと私と上杉くんで行きたかったんだけど、そう強くも言えないし。


ラン:上杉くんがお祭りの話をしたら、向こうの三人も凄く乗り気らしくて。


ひな:あらら。そこは上杉くんに上手く立ち回って欲しいところだけど、キャラ的に無理か。


ラン:うん。上杉くんはみんなに優しいけど、誰か一人を選べないタイプ。


サキ:優しいっていう長所も一長一短なんだよね、こういうときは特に。



ラン:みんな最近、バトフラにログインしてる?


ユー子:したいけどしてない。勉強が大変で、時間が作れないから。


シズ:私もしてない。浪人するわけにはいかなくなったから、今から全力投球だよ。


キョーコ:おなじく。結星くんも忙しくて、あまりログインしてないみたいだから、勉学優先にしてる。


ひな:王子組は受験に対する気合いが違うね。私はときどきログインしてるよ。すっごい人が増えた。それも急に。


ミカ:私はたまにかな。確かに新規がめっちゃ増えたね。


サキ:やっぱりあれか。コラボ効果?


ひな:ご新規さんに陰陽師が多い気がするから、たぶんそう。


ラン:でも、なんで陰陽師なんだろうね。あのストラップ。


キョーコ:結星くんの本物のアバターと被らないように、あえて侍は避けて違う系統にしたって聞いたよ。


シズ:モニターの規約も関係があって、露骨な身バレをしないように工夫したみたい。


ラン:なるほど。いろいろあるんだね。でも確かにそういう配慮は必要かも。王子の陰陽師ストラップ、凄い人気で手に入れるのが大変だって聞いた。


ひな:どこにも六角プリンが売っていないって、北条っちが嘆いてたよ。


ミカ:そんなに売れてるんだ? じゃあ、明日雑誌が発売されたら、ますますプレミアがついちゃうんじゃない?


サキ:かもしれないね。エグザの狙いは大当たりだね!

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