第14話 はぐれジャンプ難民軍 決起集
東京都大田区秋葉原にある非合法裏メイド雀荘『ウソクイ』。
その場所で今宵、ある集会が行われていた。
狭いスペースに何十人という人間が詰め込まれ、しかも全員男子。
小太りまたはガリガリに痩せた者が多く、いずれも見た目にあまりぱっとしない男ばかり。
だが。その目には強い意志と覚悟の光が宿っていた。
『みなさまお待たせ致しました!』
やがて。司会者らしいメガネにスーツ姿の男がマイクを握った。
「我らがリーダーの到着だ!」
『リーダー』は金色にそめたアフロヘア―に瓶底メガネ、ぽっちゃり体型、アニメのTシャツを着た男だった。彼が壇上に上がりマイクを握ると、
「オサ! オサ! オサ! オサ!」
観衆は大歓声で彼を迎えた。
オサと言われた男は野太い声で演説を開始する。
『みんな今日は各々ゲームやアニメ鑑賞などで忙しい中集まってくれて本当にありがとう』
大きな拍手がこだまする。
『我々は引きこもりである! 人間ギライの孤独大好きインキャラである! しかし! 今だけは! 今だけはリア充のごとく徒党を組んで決起せねばならぬ!』
「ケッキ! ケッキ! ケッキ!」
会場全体が揺れた。
『なぜなら! 奴らは我々からジャンプを奪った! そしてそれだけでなく! 今後奴らは全ての二次元をも奪おうとしている! そんなことが許されていいのか!』
「ユルサレヌ! ユルサレヌ! ユルサレヌ! ユルサレヌ! ユルサレヌ!」
『記憶が無くなっても! ジャンプを愛した日々までなくなったわけではない! 我々はジャンプ愛! そして全ての二次元を愛する心を持って決起する!』
「ケッキ! ケッキ! ケッキ!ケッキ! ケッキ! ケッキ!ケッキ! ケッキ!」
「オサ! オサ! オサ! オサ! オサ! オサ! オサ! オサ! オサ! オサ!」
「ケッキ! ケッキ! ケッキ!ケッキ! ケッキ! ケッキ!ケッキ! ケッキ!」
「オサ! オサ! オサ! オサ! オサ! オサ! オサ! オサ! オサ! オサ!」
非合法メイド雀荘にオタク共の魂の叫びがこだました。
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