第11話 Halong Bay(ハロン湾)

僕はフロントからのモーニングコールで目覚めた。時計を確認すると、6時30分だった。朝の目覚めの後は、まずは朝の空気を感じるため窓を開ける。この習慣は、日本にいる時も同じだ。


朝焼けの中、近所で飼われている鶏が、朝の訪れを知らせくれた。フロントでガイドのファンさんと待ち合わせが8時の予定である。今から朝食をとり、身支度をするとちょうどいい時間になる。食事の前に、目覚めのシャワーを浴びていると、僕は夢のことなど、すっかりと忘れていたのだった。今日、訪れる予定のハロン湾の情報を地球の歩き方で一通り、目を通した。


楽しみな朝食は、ホテルの8Fのレストランでビュッフェ形式だった。8Fからは、ハノイ市内が一望できた。というよりは、高い建物がないのがハノイだった。食事の内容は、パンはクロワッサン、ベトナムフランスパン、トースト、アップルパン、オーガニックフランスパン、バターロールの6種類である。ヨーグルトはプレーンのものでソースが、ブルーベリーとストロベリーであった。ベトナム料理もある。フォーも、もちろんあった。新鮮フルーツは、スイカ、メロン、オレンジ、バナナ、ライチがあった。僕は、このホテルの朝食はコスパがなかなかいい感じだぁって思いつつ、卵はスクランブルエッグをオーダーした。パンは、もちろん、ベトナム風フランスパンである。ドリンクもオレンジジュース、アップルジュース、マンゴージュースなど何種類かあった。食後はベトナムコーヒーをオーダーした。僕はレストランの窓際の席へ案内され、ハノイの朝の景色を上空から眺めながら、朝食をとった。地上では朝のラッシュの時間帯だろうなっと、僕は東京にいる時の自分自身を考えた。平日にこんなにゆっくりと優雅に朝食をとるのは何年ぶりだろうかと、ふと思った。たまにはこんな朝もいいものだ。


僕は一人、食事を終え部屋へ戻り、本日のお出かけ準備へ入った。デジカメ、念のためにスマホ、ペンとノート、ガイドブック。と、キャッシュは必須である。現金は弐か所に分けて所持する。これも海外ならではの常識である。これで僕のお出かけ準備万端となった。


少し早めにホテルのフロントへ向かった。僕の性格上、人を待たせることは嫌いなため、事前にファンさんが来るのを待った。フロントのソファで待っていると、まもなくすうるとファンさんも時間より早く来てくれた。僕は、ベトナムの方は真面目なんだなと思った。割と南国の方は、時間の流れがゆっくりのようで、時間通り来ないことが多いからだ。


ファンさん「おはようございます。酒井さん、朝のお食事はおわりましたか。」


僕「おはようございます。朝食は先ほど終えましたよ。ファンさん、今日のハロン湾にツアーに、当日参加で一人追加でお願いします。今からでも可能ですか。」


ファンさん「もちろんいいですよ。今日は、平日なので客船もすいていますから。大丈夫です。安心してください。連れの方は、どちらにいらっしゃいますか。」


僕「連れは、こちらの住所のホテルのロビーで待っています。途中、立ち寄っていただけますか?このホテルはご存知ですか。」


ファンさん「わかりました。もちろん知っていますから、大丈夫です。酒井さんの準備がおすみでしたら、今から出発しますが、いかがですか。ちょっと、時間、早いですけどどうしますか。」


僕「もちろん、今からでお願いします。立ち寄りのホテルまでは、どれくらい時間はかかりますか。」


ファンさん「そうですね。おそらく5分ぐらいですね。すぐですよ。じゃ、行きましょうか。」


僕「それでは、今からでお願いします。」


ファンさん「ベトナムの朝は早いんですよ。朝日が昇るのがはやくて、皆、早朝から動き出し、陽が登る日中には休みますね。今日は平日なのでハノイ市内を出るまでは、道はかなり混んでいると思います。ハノイ市内からハロン湾までは、片道3時間程度かかります。そうそう、ベトナムの道路は、日本からの国際援助でとてもきれいになっています。日本には本当に感謝しております。その道を今日は通って、ハロン県まで行きますよ。ちなみにハロン湾のクルージング時間は、4~6時間ですね。こちらが、今日のスケジュールです。お渡ししますね。ご覧ください。」


今日のガイドは、昨日同様にファンさん、ドライバーのベトナム人男性、中年ぐらいの人と、僕と山田の四人でハロン湾へのショートトリップへ行くことになる。乗車の車、4WDの車で乗り心地は上場である。


僕たちの乗せた車は、間もなくすると、山田の滞在ホテルへ到着した。ファンさんの言った通り、山田の滞在ホテルまでは僕の滞在ホテルからは、5分かからないぐらいだった。


ベトナムの道路事情は、複雑で割と一方通行の道が多い。特に、細い路地に入るとである。こんな路地にも車が入るのっていうところもお構いなしに侵入する。この無秩序さがなかなかいい感じだ。僕の旅心を掻き立ててくる。


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