第11話 闘女vs弓聖(1)

「ふん!はぁ!せいや!」

「うわぁ!ひぃ!あぐ」

此処は中央砦からかなり離れた草原、そこでリージェンがユリアに一方的に攻撃をしている。


「う~、痛~い。ちょっとさ、ズルくない?接近してきたら、矢が放てないよ、僕。」

とユリアが顔を擦りながら言うが、

「ズルくない、これも戦法の一つ。それに離れたら私の攻撃が届かない。」

リージェンがそれを否定する。

まぁ、私にはがあるから大丈夫だけど、手の内を明かす訳にはいかない――と。

リージェンは思いながら、攻撃をする。


「くぅ~、こうなったら!風爆弾ウィンドボム!」

とユリアは右腕を前に突き出して唱えると、風の球体が現れ、リージェンにむ向かって飛ばす。

「くぅ!うわ!」

リージェンは両腕をクロスさせ、防御するが球体が破裂して数メートルまで飛ばされてしまい、ユリアはその隙に近くの森まで駆け抜けて、木の上に飛び乗る。


「ふう、此処なら大丈夫だ」

とユリアが安心していると、


バキッ!メリメリッ!ドサッ!

と木が倒れる音が響く。


「ちょっ!まさか、私が居る木を倒すまで周りの木を折るきなの!」

とユリアが何事かとそっちの方を見るとリージェンが木を殴り倒しており、

ユリアは驚く。

「……この木でもない」

とりリージェンは呟く。


「早く倒して、ケンタの援護に行かなきゃ」

とユリアは言って、

ギリギリギリ、バシュンッ!

矢をリージェンに向けて放つが、

バシッ!

とリージェンは苦も無く、その矢を右手で掴む。

「うっそ~~ん!?そんなのあり!」

とユリアは苦も無く矢を掴んだリージェンに驚愕していると、

「矢が来た方向からしてあっちの方」

とリージェンは駆け出し、


ドンッ!グラグラグラ、パラパラパラ

と木に向かって正拳突きを繰り出すと、木が揺れ葉っぱが舞い落ちる。


「うわぁ!とっと、見つかった!」

とユリアは慌てて、木に次々に飛び移る。

「ん、また移動した。」

とリージェンはユリアが移動したことを察知する。

何故、リージェンがユリアが移動したことが分かったり、矢を掴むことが出来たのかと言うと、それはリージェンの職であるレア職"闘姫"の固有スキル"危機感知"や"気配探知"の御蔭である。先程、リージェンが言っていたあれとはこの固有スキルであり、このスキルは上位職やその上の最上位職、レア職等のみにしか存在しないスキルである。


「これでも喰らえ!風矢のウィンドアロー・レイン!」

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