第2話 姫騎士シルヴイアとの出会い
ジークヴェルトとエレオノーラが帝国軍に入軍して、次の早朝ジークヴェルトが日課の鍛練をしている時だった、
「君は見ない顔だが、もしかして君があの英雄ギルヴァード殿のご子息である、邪悪殺し殿か?」
漆黒の鎧を身に纏った、銀髪碧瞳の少女がジークヴェルトに話し掛けて来た。
「貴女は?」
ジークヴェルトはその少女にそう尋ねると、
「これは失敬、相手の名を聞くのに自分の名を名乗らないのは失礼だな、
私はシルヴィア、シルヴィア・グラハイム、ここ帝国の皇女だ、宜しく頼む、邪悪殺し殿」
彼女の名は先程彼女自身が名乗った通りであり、帝国の皇女である。彼女もジークヴェルト同様、レア職である
「こ、これは皇女殿下であられますか」
ジークヴェルトは慌てて、恐縮し頭を下げるが、
「そう、畏まらないで欲しい、昨日父から君の事を聞かされて、
私も父の様に英雄殿と親しくしたいと思っているんだ。
だから、君も気軽に私の事をシルヴィと呼んでくれていい。」
シルヴィアがそう言うと、ジークヴェルトが彼女の寛大さに驚いていると、
「あら、そこに居られるはジークヴェルトお兄様とシルヴィではないですか」
「おお、エレンか、いやな邪悪殺し殿を見掛けてな、声を掛けたのだ」
エレオノーラがやって来て、シルヴィアと親しそうに話す。
「エ、エレン。やけに皇女殿下と親しいが」
ジークヴェルトはエレオノーラにそう尋ねると、
「シルヴィとは昨日、お会いしまして、気もお合いしましたから、
色々お話もしましたわ、所謂ガールズトークですわ」
エレオノーラはそう答え、
「ああ、それで君の話も聞かせて貰ったが、全く君の元婚約者や義妹は酷いな、
確かにevilsureiyaは古代語で書かれ、そういう知識を幼き頃から習う帝国民や
その2人も幼き頃から付き合いとはいえ戦士と誤認された君よりも、異世界から召喚された勇者の方が良いと思たのだろう。嘆かわしい事だ。」
「そうですわ!私からジークヴェルトお兄様を奪っておいて、何処ぞの馬の骨に乗り換え何て許せませんは!」
シルヴィアはそう言って嘆き、エレオノーラもアンナとメリルの愚行に激怒する。
確かにアンナやメリルは俺を裏切り、
勇者と結婚したが、
果たして2人を恨んでいいのか?
もし、2人を恨んで殺したりしたら、
小父さんと小母さんは悲しむし、
死んだ父さんや母さんに顔向け出来るのか?――と。ジークヴェルトはアンナとメリルの事を考えていると、
「の、邪悪殺し殿!聞いているのか、邪悪殺し殿」
「え、ああ。すまない、考え事をしていた」
シルヴィアがそう言うと、ジークヴェルトが謝り。
「全く君は。まあいい、それで君はこれから如何するのだ?」
「俺はこれか朝食を取りに行こうと思う、それから皇女殿下、
俺の事はジークで良いですよ」
シルヴィアがジークヴェルトにこれから如何するのかを尋ねると、
ジークヴェルトが朝食を取りに行くと答える。
「ふむ、では以降はジークと呼ばせ貰おうが、それでは対等ではない、
だからジークも私の事はシルヴィと呼んで欲しい」
シルヴィアはジークヴェルトにエレオノーラと同じように呼んで良いと言うが、
「皇女殿下をそのように呼ぶのは!」
「先ほども申しただろう、君とは対等で居たいとな」
ジークヴェルトはそう言って拒否するが、シルヴィアは対等で居たい言う。
「それにシルヴィは頑固です」
エレオノーラはシルヴィアが一度言った事は曲げない頑固者だと言い、
「エレン、私は頑固ではないぞ?」
「あら、私が知る限りでは貴女が自分から意思を曲げたのを見た憶えはありまんせんわよ?」
「む、これでも私は融通が利く方だと思っているが」
「思っていらっしゃるだけですよ、シルヴィ」
シルヴィアは否定するが、エレオノーラがそれを否定する。
それから数分、2人は言い合いをしてると、
「分かったよ。これからシルヴィと呼ぶ事にするよ」
ジークヴェルトは観念して、シルヴィアを愛称で呼ぶ事を了承した。
「ふふ、それでいい」
シルヴィアはそれに聞いて満足そうにして笑う。
「さて、少し遅れた朝食をとりに行こうか、2人共」
「「ああ/はい!」」
ジークヴェルトは朝食を一緒に取りに行こうかと伝え、2人はそれに返事をし、
食堂に向かい、食事をする。
その後ジークヴェルトはまた鍛錬しに戻り、
シルヴィアとエレオノーラは食堂でまたガールズトークを始めた。
ジークヴェルトが鍛錬を再開し、2時間が経った時だった、
漆黒の鎧を身に纏い、、茶髪のオールバックで黒い瞳をした中年の男がやって来て、明日手合わせをするとジークヴェルトに伝える。
こうして、明日ジークヴェルトはその男と手合わせをすることになったのである。
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