第1章 帝国編 運命と決意

第1話 皇帝ヴェオール

ジークヴェルトとエレオノーラはローレンス家の馬車に乗り、村を出て2時間半を要して帝国に到着し、帝国兵に帝城に案内されている。


「ここは王国とは全然違うな、王国に行った時に時々見掛ける者は小汚なかったり、奴隷を連れている貴族何かも見掛けたりしたな。皇帝が良き人格者なのが見て分かるな」

「そうですわね、ここは皇帝様がそういうのを徹底していますけど、

王国は現国王ヴァロルドが絶対貴族主義にした所為で、下々の方は貴族のいう事を絶対聞かないといけなくなりましたから」

ジークヴェルトは帝都の様子を見て、王国との違いを述べると、

エレオノーラが帝国の褒め、一方で王国を酷評しる。


ジークヴェルトとエレオノーラは玉座の間に着くと、

2人の前には漆黒の軍服を身に纏い、銀髪碧眼の中年の男、皇帝ヴェオールが居た。

「久しいな、エレオノーラ。お前さんと会ったのは確か3年前だったか?」

ヴェオールはエレオノーラに久しぶりだと言うと、

「はい、そうでございます。3年前にお父様に帝国で開かれたパーティに連れれて以来でございます」

エレオノーラはスカートの裾を持ち上げ、一礼し挨拶をする。

「そうか。それでお前さんがギルヴァードの息子が、あいつにそっくりだな」

ヴェオールはジークヴェルトの方を向き、そう言うと、

「え、父を知っているのですか?」

「ああ、あいつと俺、そしてエレオノーラの父トラヴィスと王国の前王オスカーは昔からの知り合いでな、それにしても、あいつめ俺との関係を話して無かったのか、あいつは昔からそういう重要な話を忘れる所は変わっていないようだな」

ジークヴェルトはヴェオールが父の事を知っているのかと尋ねると、

ヴェオールがジークヴェルトの父ギルヴァードの事を語り出す。

「ははは、父の忘れ癖は昔からだったんですか」

ジークヴェルトは笑いながらも父の事を答えると、

「ああ、そうだな…話は変わる、ジークヴェルトよ、お前さん帝国軍に入らぬか?俺はお前さんを気に入った、お前さんなら短期間で中将まで登り上がれると俺の感が言っている。」

「それは良い考えですわ!ジークヴェルトお兄様も良いですわよね?」

ヴェオールはジークヴェルトに帝国軍に入るを進め、エレオノーラもそれに賛成する。

「それは良いが、でも大丈夫なのですか、こんな力も無い田舎者を軍に入れても?」

「ふはははは!謙遜するなジークヴェルトよ、お前さんは英雄ギルヴァードの息子だ、弱い訳がなかろう。して、ジークヴェルト、お前さんの職は何だ?」

ジークヴェルトがそう言うと、ヴェオールが謙遜するなと言い、ジークヴェルトに職を聞く。


「ebilsureiyaです」

とジークヴェルトが答えると、

ヴェオールは突然椅子から立ち上がり、

玉座の間に居たエレオノーラ以外の者達も驚愕しどよめく。

「もう、一度お前さんに問う、お前さんの職はevilsureiyaなのか?」

「は、はい。そうですが、如何したんですか?」

ヴェオールはジークヴェルトに再び尋ねると、ジークヴェルトは肯定する。

「evilsureiyaとは即ちあらゆる邪悪を打ち滅ぼす英雄のみが授かる事が出来る千年に一度だけ現れるとされ勇者の上位に位置する職であり、お前さんの前任が千年前に存在した英雄王ラインハルトだ」

ヴェオールは再び椅子に座ると、ジークヴェルトが受託した職の事を語り、

「え?」

「まあ!」

ジークヴェルトはそれを聞くと驚きの余り喋る事が出来ず、エレオノーラもジークヴェルトを見て片手で口を覆いながら固まってしまうが、ヴェオールは喋り続ける。

「まさか、英雄の子はそれを超える英雄だったとは、ますます俺はお前さんを気に入った!先ほどは中将と言ったが、もしかしたら帝国史上最速最短で若き元帥が生まれるかもしれんな、ふはははは!」

ヴェオールはジークヴェルトをますます気に入り、豪快に笑う。


それから、数時間後ジークヴェルトは帝国軍に入る、エレオノーラも魔法が使えるという事でジークヴェルトの専属魔導師になり、帝国軍に入る事になったのであった。

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