決起
2ヶ月後
2人が王宮に連れて行かれてから、2人は半月前までは日記の様に手紙を毎日送って来てくれたが、それ以降からは徐々に送ってくれる日数が減り、今では全く送って来てくれない。
話の内容も最初は寂しいとか大丈夫とか書いてくれていたが、途中から異世界から召喚された勇者の話も書いていて、挙句の果てには勇者の話題しか書かなくなってしまた。その時からだろうか、ジークヴェルトは嫌な予感がしていたが、でも2人なら大丈夫と自分自身に言い聞かせていたが、全然来なかった手紙が今日送られてきた時、その嫌な予感が強くなり、そして、ジークヴェルトは恐る恐る封筒を開け、呼んで絶望した何故なら、
手紙にはアンナとメリルが勇者と結婚する事が書かれていた。
「何だよこれ、ふざけんな!勇者と結婚だと、俺との約束は恩は如何なんだよ!」
ジークヴェルトは悲しさの余り涙を流して大声で叫んだ時、突然扉が開き真紅と黒を基調としたドレスを着た、金髪の縦ロールでエメラルド色の瞳をした少女が入ってきた。
「ジークヴェルトお兄様様、突然大きなお声を出して如何しました?」
彼女は王国の名門貴族ローレンス家の令嬢で、名をエレオノーラ・ローレンスと言う。
ジークヴェルトの母であるドロシーの妹オーフェリアの娘である。
ジークヴェルトとは従妹の間柄であり、昔から兄と慕い、時々訪ねて来る事がある。今回も訪ねようとして来た時にジークヴェルトが大声を出しのに驚き、入って来たのである。
「ああ、エレンか実は」
ジークヴェルトはエレオノーラに手紙の事を話し、それを聞いたエレオノーラは怒り
「何ですって、あのおん…うん!アンナさんとメリルさんが勇者と結婚ですの、それはお辛いでしょうに(あの田舎女共め、
エレオノーラは表ではアンナやメリルと仲良くしているが、裏では嫌っている。その理由はエレオノーラがジークヴェルトを異性として好意を抱き、アンナは婚約者、メリルは妹という自分勝手な理由で嫌っているが、ジークヴェルトが悲しむ為、言葉や表情には出さないが、心の中では出している。
「そうだわ、ジークヴェルトお兄様、帝国に行くのはどうでしょうか?」
エレオノーラがそう提案すると、
「帝国に?何故だ」
「王国やここに居たらアンナさん達とお会ってしまい、余計辛い思いをしてしまいますが、帝国ならば、アンナさん達とはお会いしなくてすみますから」
ジークヴェルトは理由を聞く為に尋ねると、
エレオノーラが2人に会えば辛くなると伝えると、
「そうだな、帝国に行こう。」
ジークヴェルトは賛成する。
「なら、お共しますわ」
「え、大丈夫なのか?」
エレオノーラか一緒に行くと言うと、
ジークヴェルトは大丈夫なのかと尋ねる。
「はい、私のお父様は帝王様や前王オスカー様とはお知り合いで親交もありますから、それにお父様自信も今の国王陛下や王国には飽々して、近々帝都に移り住む予定でしたから」
エレオノーラは家族と共に帝都に移り住む事を伝えると、
「なら、帝国に先に行こう」
「はい!行きましょう、ジークヴェルトお兄様」
ジークヴェルト了承すると、最低限の荷物だけを持ち、小父や小母、村長や村の皆に別れを告げ、門の前で準備を済まて待っていたエレオノーラと帝都に向かったのである。
序章 プロローグ fin
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