第13話 高校生になりました

学校でのいじめを苦にして、高校進学を最初は拒否していたんです。

あと3年間いじめられる生活が続くくらいなら、社会に出た方がマシだって思って。

比較的親しくしていた不良の女の子たちも、誰も高校に行く子はいなかったし。


それでも進路相談で高校進学を強く学校の先生と母に勧められ、「あー、もう、勝手にしてちょうだい」とヤケクソで高校進学に首を縦に振りました。

結果的に、まぁ恥ずかしくないレベルの高校に進学できたので結果オーライでした。


私が通っていた中学校から同じ高校に進学した人数は少なくて、15人程度だったと思います。

その時私は、自分が井の中の蛙だったことを知ったんです。


私がいじめられていたことを知っている人は誰もいない。

だから、誰も私をいじめることはなかったんです。

あまりに呆気ないいじめからの解放に、なにをなんであんなに悩んでいたのかと、ちょっと笑いたいような気持ちになりました。


環境が変わるといじめってなくなるのも一理あるかも知れません。

私が無知だったので考えも及びませんでしたが、もっといじめを主張して親に強引に転校させて欲しいと頼んでおいたら良かったと今は思っています。

そうすれば中学校の2年間を暗い屈辱の毎日で終わることはなかったでしょう。


高校生になって雄一と二人きりになる回数は激減しました。

私がアルバイトを始めて家に居つかなくなったことや、週末は友人の家にお泊まりに行ったりしていたので、家に一人でいる時間が極端に減りました。

弟も中学生になっていたので、雄一は警戒し始めたのかも知れません。


高校3年生の時に、久しぶりに雄一と家で二人きりになりました。

雄一はヤル気満々で私のパンツを脱がそうと頑張りましたが、私は絶対にパンツを下ろさせませんでした。

根負けして雄一はなにもせずに帰って行ったんですが、これが雄一との訣別でした。

それ以来、雄一は私を犯すことはありませんでした。

私も親戚の集まるような席を避けるようになっていました。


長かった性虐待の日々は、ひとまず終わりました。

私はとりあえず、解放感に包まれていました。

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