第7話 初潮
小学校5年生での初潮は当時としては早い方だったように思います。
朝、起きたらパンツが真っ赤な血で染まっていて、慌てて母に言ったら、ナプキンを渡されて、用意してあったんでしょうね、生理用ショーツに履き替えさせられました。
生理の周期が安定するまでって、何年かかかるじゃないですか。
初潮前後と閉経前後は毎月一定して生理があるわけじゃないですよね。
私はまだ小学生だったので、生理不順についての知識がなく、生理が始まったことで妊娠できる体になったことは分かったんですけれど、相変わらず避妊をせずに、平気で「腹出し」でコトを終える雄一に対して怒りが爆発しそうでした。
生理が来るのは28~30日の間と聞いていたので、指折り数えては、その日数を過ぎると次の生理が来るまで、「私は妊娠しているかも」と不安を覚え、何より親が激怒するだろうと思うと、怖くて目の前が真っ暗になりそうでした。
生理が来るようになって2年間ほどは、私は生理が来るたびに高熱を出し、寝込みに入っていました。
近所の町医者ではわけが分からない的なことを言われて北大病院へ行くように紹介状を書いてもらいました。
北大病院まではバス1本で行けるところに住んでいたんですけれど、39度40度と熱を出している私はタクシーで通院させてもらいたかったんですが、母はバスが来るからと、バス停まで、「実草、走って!」と駆け出してしまうんです。
仕方がないので私も無理矢理走りましたが、これはキツかったです。
うちって、本当に貧乏なんだな、ってその時しみじみ実感したんです。
北大病院で色々検査してもらった結果、白血球が増えている状態なんだと分かりました。
どうも月経と関係があるらしいと言うことも分かりました。
これはもうしばらくして、生理の周期が安定したら自然と治って行くでしょう、みたいな説明で、特に深刻な症状ではないようだったし、熱が下がると私もケロッとして元気に過ごしていたので、それほどの問題ではないようでした。
その頃からです、両親が買ってあった土地にいよいよ家が建つことになったのは。
私は思春期の入り口で、なぜか父親を嫌悪していたので、父が仕事を終えてから大工の棟梁の伯父がリーダーとなって建築中の家の手伝いに行っていて、毎晩遅く帰って来ることがちょうど好都合でした。
両親が買った土地は雄一の住んでいるアパートと200メートルほどしか離れていません。
自分の部屋がもらえると大喜びの私でしたが、雄一の家が近過ぎることだけが不安材料でした。
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