第4話 小学校の性教育の授業
激痛を堪えて雄一を射精させた私は、その後、毎週末の麻雀大会の隙間時間に雄一とセックスをすることになってしまいました。
私が眠っている2段ベッドの上段では窮屈だったんでしょう、雄一は私の足を力強く引っ張り、ベッドから引きずり出し、隣室の茶の間でことに及びました。
何度も繰り返すうちに痛みは薄れて来ましたが、大人同士のセックスのように会話があったり、愛撫があったりと言ったコミュニケーションの要素は一切なく、性器と性器が擦れ合い、それがやがて白い液体を放出してようやく私は解放されると言うだけのことでした。
その繰り返しは時間帯こそ変わりますが、毎週欠かさずおこなわれました。
私が心に傷を負っていたと思うのは早計です。
人間の記憶と言うのは良くできています。
私は雄一とのセックスに憎悪を感じていたので、ことが終わるとそのすべてを記憶の中の一番深い底にパンドラの箱のように隠してしまうことができたんです。
私はおそらくふつうの小学生と変わらず、快活に振る舞っていたと思います。
両親との関係も、たまには叱られることはあっても良好でした。
小学校5年生の時に学校で性教育の授業がありました。
男女別々の教室に分けられて、1970年代後半の時代に、まるで戦前のフィルムのような短編映画を見せられて、その意図がまったく分かりませんでした。
つまりは男女の性差について語っていたんだと思うんですけれど、お行儀が良すぎて時代錯誤も甚だしかったです。
その後、先生が月経についての説明をしたんですけれど、それは既に男の体を知っていいる私にとっては何ひとつためになるようなものではありませんでした。
バカなんじゃないのコイツら?って子ども心に思ったんです。
その時の私にとって必要だった情報はおそらく避妊をしないセックスの結果どう言った状況になるかってことであって、「月経が始まると妊娠できる体になります」と言われただけじゃ、だから?って思いました。
そんなことより、ある日曜日、近所の男の子と一緒に退屈しのぎに家の前に停まっていた雄一の車を蹴飛ばして遊んでいたのが見つかり、雄一に猛烈に叱られたことがあるんです。
じゃ、アンタが毎週やってることは一体何なの?と、私の怒りは体の中で爆発したんですけれど、まだ小学生です、烈火のごとく発狂している大人の男性に楯突くことができなくて、まったくの怒られ損でした。
その頃からです、雄一は私を車に乗せて人の気配のない草むらに連れて行き私を犯すようになりました。
そうよね?そう言うことをするために車は使うものだから、蹴っ飛ばしちゃいけないのよね?
私は雄一に対して皮肉な感情しか抱いていませんでした。
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