第3話 「処女」を失った日

雄一の行動は当然、エスカレートして来ました。

週末の麻雀大会が始まると私の寝込みを襲い、抵抗しないことをいいことに性器に指を出し入れしたりしていました。


もちろん私はその時、セックスについての知識など皆無でした。

でも、この指の出し入れだけでコトが終わるとは思っていませんでした。

もっと何かがあるはずだ、と感じていました。


それが分かったのは、北国の短い夏のある日曜日。

家族はなぜか私ひとりを残して外出をしていました。

私が一人でいることを同じ2階に住む雄一が分からないわけがありません。


ここで最初の警告をさせていただきます。

子どもを持つと言うことは責任が伴います。

親自身は愛情をかけて子どもを育てているつもりでも、親族からの性被害というケースもあります。

私のうちの場合は、両親はできるだけの愛情をかけて私を育ててくれたと思っていますが、愛情に胡座をかいて、少し子どもを放置し過ぎたと思います。


週末の麻雀大会でも、両親はずっと階下に居座るんじゃなくて、交代で私たちきょうだいの様子を確認しに来るべきだったと思います。


マイホーム資金を貯めるために、おそらく格安のお家賃で伯父の家を間借りしていたんだと思うんですけれど、貯金よりも大切なことってありますよね。

私が表情に出さなかっただけで、どれだけ心に傷を抱えていたことか。

両親の鈍感力を小学生、いえ、もっと前の石井さんの家でのできごとから私は悟って、両親に対して何も期待しない「所詮、中卒夫婦」と思うことで自分を納得させました。


家族の不在に気付いた雄一は私の家に来て、私を弟のベッドに寝かせ、パンツを脱がせました。

「何かが始まる」と黙って私は目を閉じました。

ジーンズを脱いでいるような気配を感じ、薄目を開けると高く上を向いた向いて硬直した雄一の性器が目に入りました。

「まさか、こんなもん入れるつもりじゃないだろうね?」私は怖くなって逃げ出しかったんですが、雄一は私の腰を既にしっかり押されつけていました。


父に連れて行かれる銭湯で、たまに目に入る男性器とは違うんです、エレクトした男性器は。

私にはそれが凶器にしか見えませんでした。


グリグリグリグリ性器が性器に押し当てられました。

その痛みで私の体はどんどん逃げ腰になって行き、やがて壁に頭がぶつかりました。

すると雄一は私の体を乱暴に引っ張って元の位置に戻し、同じことを繰り返しました。


これが何度か続き、雄一は本意を達して去って行きました。

処理はいわゆる「腹出し」でした。

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