『お出かけするなら紙パンツ』
やましん(テンパー)
『お出かけするなら紙パンツ』
※ 前半は事実に基づきますが、後半はフィクションであります。
🚀 🌠
やましんは、諸般の事情で、おもらしをしやすく、このため、お出かけの際は、紙パンツを愛用しております。
これが、なかなかの優れものなのであります。
これなくしては、やましんはお外に出ることができません。
ところが、そうは言いましても、いくらか問題はあります。
まず、男女兼用なので、ちょっと、可愛すぎる。
そうして、小用が足しにくい。
夏場はまだ薄着なのでよいのですが、冬場はやはり寒いので、ズボン下を着用いたします。寒いと、ますます近くなるのであります。
ところが、穴があいてないので、うまく準備ができません。
そこで、子供のように、ズボンを下げてしまうほうが、圧倒的にやりやすいのです。
でも、そうすると、可愛いい紙パンツが見えてしまいます。
まあ、気にしなければ、それまでなんですが。
この年で、どうこういうものではありますまい。
🚽 🚻 🚽
ある日の夜のこと、ぼくは、お山の上の『観光お手洗い』において、『宇宙人』さんと、出会いました。
とはいえ、当然、コスプレであろうと、思いました。
その宇宙人さんは、ぼくの動作を、最初から最後まで、つぶさに観察しておりました。
あやしいといえば、まったく、そうなのですが、ややこしいことも面倒です。
ことをさっさと済ませ、ぼくは立ち去ろうとしました。
「それ、地球の製品か?」
「はあ・・・・・それって・・・・」
「その、下側、すなわち、あなたの下半身本体に接触している側の物体である。」
「ぶ! パンツの事ですか?」
「名称は分からない。非常に興味深い物質であると、計測器が言っている。分けて欲しい。」
「ぶ! これは、分割できない。」
「そこを、努力してほしい。お礼は出す。この、『超小型万能計測器』を、差し上げる。これは、地球には無いものである。我らは、いつでもショップで入手できるが。しかし、その物体は、我らには無い物体である。ぜひ、頼む。」
宇宙人さんの、手の中の『計測器』は、なにやら、ピーピーと鳴っていました。
玩具に違いないが、危害を加えられたら困るな。
そこで、怖くなったぼくは、カバンの中に、予備の新品を所持していたことに気が付いたのです。
それを取り出し、差し出しました。
「おう。感謝する。たまたま寄ってみて良かった。我々の科学に、大きな貢献があるだろう。では、これを差し上げる。あ、ひとつだけ。自爆モードにすると、10分後に大爆発し、地球は溶けてしまう。では。さようなら。」
宇宙人さんは、建物から出て行ったのです。
どんな自動車で来てるのか、と思って、ぼくはあわてて、暗い駐車場に出てみたのですが、ちょっと、転びかけてしまったのであります。
なんとか無事に済ましたが、危ない危ない。
こんなところで、怪我したら、また奥さんに
叱られることとなるのは、必定です。
で、そこには、小型の『U.F.O.』がいて、ぼくの目の前から、あっというまに、星空の彼方に消えてしまったのでした。
ぼくの、手の中には、小さな『計測器』が残されていました。
転落は、まぬかれたのですが…………
ふと、気がつくと、さっきと違う、なんだか、やたら怪しい光が点滅しているのであります。
あやや、さっき落としかけたとき、何かしたかしら?
その点滅が、なぜだか、だんだん早くなるのです…………
これが、地球人類の、最後となったのでした。
🛸
🛸
************ 🌌 ************
おしまい
『お出かけするなら紙パンツ』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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