第二章 「市民救出、今後の生活」
第12話 お金も欲しいが命を選ぶ!作戦内容!
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オネストの市民救出作戦概要
今晩、盗みや忍び込むのに割かし得意なエミリアが先に「オルディネ:王国領地内」に侵入する。
エミリアの任務は王国兵士の街中の巡回ルートと王国兵士の位置の把握、その中でバレずに各家々に忍び込み、正体不明の置き手紙を置いて行く。
この手紙自体は、信用などされなくても良い。人間、信用するやしない関係なく、頭の片隅には無意識に残る。
それを利用した置き手紙だ。
手紙にはこう書かれている。
『お前達市民が、王国と手を取り合い。此度の戦いに便乗せんとするならば、我々はお前達を一市民として扱う事なく。一王国の兵士とし抗戦する。』
元々「王国賛成派」の市民だ。
この手紙を見たら、「帝国の仕業」だと思う事は間違えない。
その反発心を利用する。
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今度はオネストの番だ。
エミリアからの報告を受けた。
オネストは次の晩、巡回している王国兵士の制服を奪い取り。
王国兵士に扮する。
奇しくもオネストが携えている「王国騎士団の剣」がリアリティを出してくれるだろう。
そしてオネストが各家々を訪問し、住民に避難して欲しいと言う旨を伝える。
手紙に反発をする市民達は王国兵士扮する。オネストの言うことを聞くであろうと言う予想だ。
これが、エミリアに耳打ちして伝えた作戦だ。
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「いいな?今日の晩からすぐに行動しないと、市民が犠牲になる。上手くいけば今日の晩と明日の晩、王国が侵攻してくる2日後迄には間に合う筈だ」
「あぁ、分かっている。私に任せてくれ!」
「頼んだぞ、『相棒』?」
今、オネストから不意に言われた相棒と言う言葉で、今度はエミリアが恥ずかしがった。
色白のエミリアの頬は紅潮してゆく。
見られまいと、隠す様に後ろを振り向くと。エミリアは コクリ、と頷き走り去って行った。
オネストはその姿を見送ると、何食わぬ顔で最初に指示された見張りに就く。
空を見上げて、ポツリと呟いた
「はぁ…どうして俺はこれ程までに金に囚われたんだろうな…そうだ…王国…それに騎士団が原因だったな…」
どこか遠い表情、その表情の中の気持ちは何を思い浮かべているのだろう。
哀しみなのか…辛さなのか…
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