第3話 報酬を頂きたい!


暫く歩くと、街が見えてきた。

色々な人たちが、行き交っている。

街に入ると、彼女が言った。


「ここに入らないか?」


「いいぞ」


そう言って入った場所は「酒場」だ。

彼女を連れて中に入ると、彼女の知り合いが

声を掛けてきた。


「おい!こっちだ!ってお前は!?」


「違うんだ!こいつには助けてもらった!」


「そうなのか!?」


どうやら先ほど追いかけた山賊達の様だ。


「そうさ、俺が助けたし分け前も頂く約束もしている」



「なに!?兵士に渡す金なんぞない!」




「俺は「兵士」ではない、「傭兵」だ「金」さえもらえればどうでもいい」




「なるほどね、確かによく見たら「兵士」では…ないな」


「あぁ、剣が違う。制服は同じだがな…」


そう言う山賊達は「オネスト」が腰にたずさえている剣を見ている。

紋章が入った王国騎士団の剣だ。


ここで山賊達が何やら話し合いを始めた。


「あいつそう言えば「傭兵」って言っても金につくないか?」


「あぁ、私もそう思う。それに胸を触られた」


「でも…え!?胸!?なんで!?俗に言うじゃないか?」


「そうだな…」


「…(触る程の胸があるか…?)」


そう言って山賊達はオネストを一斉に見る。


もはや山賊達が見つめる目は「傭兵」を見ていない。

ただの「変態」を見つめている。


 「なんだ?みんな一斉に見て」


山賊達は再び話し合う。


 「やはりだな」


 「あぁ…」


 「あれだけ容姿が整っているのに…『残念』な奴だ」


 「そうだな…いや、待て「本題」に戻そう」


 「あぁ、そうだった!」


本題に戻ろうとした時、オネストが話しかけて来た。


 「おい、まだか?まさか…なんてことは無いよな?」


そう言われ先ほど助けた彼女が言う。


 「待ってくれ変態!」


 「あっ」


 「あっ(コイツ言いやがった!「変態」の前で「変態」言いやがった!)」


 「あっ!」


 オネストは激高しているが必死に耐えている表情をして、柄に手を掛けながら言う。


 「お前ら…金の話をしているのかと思えば、人を『変態』呼ばわりして良い根性

しているでは無いか…」


 「待ってくれ!!」


 「そうだ!!とりあえず分け前として10万オロを渡すから!」


そう言って山賊は金貨が入っている小袋をテーブルに出す。


 「ふ~ん、10万オロね…とりあえず頂く…だがこれはだよな?(700万オロも持っているんだこれぐらいは強請ゆすっても大丈夫だろう)」


もはやオネストの顔は「整っている」と言う顔をしていない。

元の顔の原型が分からないぐらい恐ろしい顔をしている。


 「えっ!?」


 「えっ!?」


 「えっ!!?(やばいぞコイツ…)」


 「!?」


 「えっ!?じゃねぇよ、こっちはの女性守って、案内までしたんだぞ」


彼が言うことももっともだが、山賊もせっかく稼いだ、いや、盗んだお金だ。

なるべく安く済ませたいと思うのも当たり前だ。

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