第2話 金の為

 彼女を連れている時に他愛ない話始めた。


 「そう言えばなんであんな国境を越えてまで来たんだ?」


国境はおよそ5~6mの壁、山々を貫く様に作られており距離およそ10キロにもわたって隔てられている、到底気軽に行けるものではない。


 「貧しかった…最初は王国近郊で盗みを働いていたが、次第に警備も厚くなりこっちで…」


 「なるほどねぇ…どれぐらい盗んだんだ?」


彼は純粋に気になったので訊いてみた。


 「ざっと…700万オロかな?」


かれは思わず二度見してしまった。


 「700万オロ!?」


およそ700万オロ=日本円で700万円


 「あぁ、お前はどうして「兵士」になったんだ?」


そう訊かれた彼は答えた。


 「俺?俺は「兵士」ではない、「傭兵」だ。それにお前と同じ「金」の為さ」


 「なんだよ…兵士じゃなくて安心したよ…それに目的が同じじゃないか」


彼の顔は若干自慢げになっているが、自慢するところが違うであろう。

誰も金の為にやっている!と言われかっこいいとはならないだろう。

顔は割と整っているのにこの性格が祟ったのか、彼は全然モテない


 「あぁ、ある意味同じだな」


 「ちょっと頼みがある…」


そう言われた彼は耳を貸す。


 「正直な話、ここから助けてくれれば分け前をやる」


 「本当か!?乗った!!では早速だが、俺の言う通りにすれば問題ない」


 「ありがとう!!(コイツある意味私ら山賊より金に執着しているんではないか…)」


その場で同意をした彼ら一行は次第に見張り小屋に近づく。


これからパトロールに行くであろう兵士が話しかけてきた。


「おい「傭兵」早速確保者か?」


「いや、違うこれは…俺の彼女だ!」


驚きのあまり沈黙が辺りを包む。


「!?」

「!?」

「ん?(金の為なんだ…合わせてくれ)」


そう言って彼女に合図を送る。


「!…あぁ!そうだ!私はコイツの彼女なんだ!」

「ほう…ではそんなにも親密な関係なら「名前」で呼び合うんじゃないか?」


「いや!俺とコイツとの仲なら名前なんて所詮はお飾り、コイツ・お前・あんたでも十分「愛」が伝わるのだよ。分かったかね?兵士君?あ!さては君は彼女出来た事無いんだろ!?(まぁ俺もだけど)」


そう言って兵士の痛い所を突く。


「お前…もうよい!さっさと町へ送ってこい!」


「ありがとうございます!」














 

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