第7話  塊



・・・その日 は   どしゃぶり  だった。



俺は   心の痛みを 紛らわすように

傘のない、 この凍てつく 雨に ひとり  打たれていた。




こうしてると、 丁度  自分の 体温と 入り混じって

時々、 生暖かく  感じる事も  ・・・ある。





ああ


この大雨のように   泣けたな ら



・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・





いつも より も、  着ている、 服の色が 濃く なる。


意識が  朦朧としそうな不思議な 感覚 が

俺の心の重さ  を 麻痺させ ていく。





ああ

、まるで  怯え切った、 子供のように 身体も 震えているのが


・・・わかるんだ。





握りしめた ひとつの拳を どこかにでも

想い切り 、ぶつけたいような 、この感情【こころ】 は


だれにも  わからない。








《 風邪   引きますよ?  》




そう言って  さし出してくれた、 傘は  優しく 俺を 包む。




、突然

雨が 遮断さ れ、 胸の奥まで 熱くなる。



降ることのないと 思っていた  雨が 頬に 伝いそうだ。

いきなり、 呼吸が 締め付けられる。



風邪でも  引いたのだろ ・・・う






『  !放っておいてくれ よ  』っ”。



「 そうです か!  余計な事を しましたね 」っ





傘を さし出してくれたのは  女だった。

女は  俺に ムッと した様子で  持っていた傘を 退けて


どんどん  去っていく。




再び、滝のような 場所へ  身体を 移す。



あれほど    ・・・泣きた い

泣きたいと  想っていた。



いまさっきの女が  どこかに いなくなったころ

俺は その場に しゃがみこむ。





しばらく 立てそうにない 。。 。

嗚咽 ・・・が   雨の音が、 惨めな 俺を


大通りの 、見世物へと 変える。







《 、風邪   引きますよ・・・?  》



頭に 浮かぶ さっきの、 情景 が  俺を

余計に、弱くさせる。



頬からの雫が  今度は  とまらない。




・・・本当 は

とても  うれしかったの に。






<  !! !放っておいてく れ >





っ” 。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・


そんな事を  言ってしまっ た。





・・ ・  こんな俺で も。






、ごめん  素直になれなく て。






呟くと  急に 空が 晴れたんだ。


泥だらけのまま  少し起き上がって  見上げると

照らし始めた、 太陽が  温かく 想えた。





EN D。








♪ 雨に 打たれて  傘も

ささ ずに



凍える 身のなか  塊が 溶けること を

ずっと  ・・・待ってる




(たたずんでいる




氷柱【つらら】 の様な


この感情【こころ】 が



雨に 当たって  溶けることを







(知ってる  本当 ・・・は





氷柱【つらら】を 砕けさせない で


・・・意味がないんだ  溶かさないと





怯え切った  雨粒が  いつの間に か

固まってい る




そんなの 火を 焚いて

炙れば  溶けるだろう?



望まない  それ ・・・も






降ってくる 雨の水で  とかした い

(ちゃん と





傘を さし出してくれる人が

大通りの中に  いたん だ


風邪なら   今  引いた よ

さし出してくれた 傘が  ・・・あまりに も




ぬれ た  身体からの  滴る雫が

いつもより 熱いん だ





(この奥 ・・・が

苦しく て




さし出してくれた 傘の上の雨まで

蒸発 してしまいそう ・・・だ




だけど 言っちゃったん だ


「放って おいてく れ! 」と



頬からの雨を  みられたくなかったか ら



傘も  ささずに  ひとりで 打た れ

その氷柱が よけい に  雨と  滲んで





身体まで  痺れてき た

しゃがみこんでは  溶けることのない


氷柱を  背負った まま



傘をさしてくれた 事が  こんなに 嬉しかったの ・・・に


うれしかったはずなの に




素直に なれない 葛藤 で


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