第12話
それから3日が経ったが、まだ俺は森の中だ。
この3日間、なにをしていたのか?それは、俺の力の確認だ。どの力が使えないとか、この力が弱くなっている。とか……だ。
結果を言うと、変わったところは何一つ無かった。
それよりも、もうすぐで目的地であるルネス王国に着く。
ルネス王国は芸術の国、自由の国とも言われていて、活気が溢れている。
向こうの世界で言うなれば、ルネサンス時代だ。
そして、ルネス王国に行く一番の理由は入国税を取られない事だ。現在無一文な俺には、ここしかない。自由の国とも言われるのが分かる気がする。
「あれがルネス城か?」
木々の隙間から城壁が見えた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「おい、そこにいる奴こっちに来い。入国したいのだろう?」
門番らしき人が声をかけてきた。
入国税が無いからといって、自由に入出入りできるわけではないようだ。当たり前と言えば当たり前か
「あ、はい、すいません今行きます」
「見慣れない格好だな。どこから来た?」
「え、ええと……どこから来たと言われても……」
「いや、言いたくないのなら構わないが、取り敢えずこの羊皮紙に名前を記入してもらえるか」
答えなくていいなら助かる!
それより名前……名前か……考えてなかったな……偽名使った方がいいかもな。いろいろと面倒だし……あ、あれでいいや
俺は羊皮紙を受け取って、名前を記入した。
「ふむ、・・・・・・ラントと言うのか」
ラントというのは、ゲームでよく使っていた俺のアカウント名だ。ドイツ語で陸という意味になるからという単純な理由だ。
「では、この水晶に手をかざしてみてくれ」
門番はそう言うと、今度は水晶を出した。
俺は素直に手をかざしたが、特に水晶に変化は無かった。
「よし、入っていいぞ。ようこそルネス王国へ」
「この水晶ってなんなんですか?」
入国する前に少し聞いてみた。少し気になったのだ。
「水晶を知らないのか?随分と遠くから来たようだな」
「え、えぇ、そうなんですよ」
多分一番遠いだろうな……なんせ異世界だし……
はあ、家に帰りたい……
帝国を出る前、瞬間移動を使って帰ろうと試みたのだが、意図的に妨害される感じがして、上手くいかなかった。その時に管理者やら神やらがいる可能性を考えた。
「そして……おい、聞いているのか?!」
「あ、すいません……ボーッとしてました」
「はあ、もう一度説明してやるから次はちゃんと聞けよ?」
「すいません。ありがとうございます」
「えぇとな……この水晶には犯罪履歴を見ることができる。お前のような犯罪を犯してない奴は無色……つまり何も起こらない。が、緑色がでると窃盗罪、黄色が暴行罪、赤色が性的暴行罪、そして……黒色が殺人罪になる」
ん、待てよ?あの時、この水晶を使っていたら……いや、今更か。
「じゃあ、俺は入国しても?」
「ああ、もちろんだ」
「では、お仕事頑張ってください」
「あ、そうだ、身分証明が出来ないと何かと不便だろ?だったら冒険者ギルドに行くといいぞ。ギルドはこの道を真っ直ぐに行けば着く。大きな建物だからすぐ分かる」
本当に親切な人だ。
「ありがとうございます。じゃあ、ギルドに行ってみます」
ギルドか・・・・・・このゴブリンの耳・・・・・・売れるのかな・・・・・・?
さっきの門番は気づかなかったようだが、実は耳を腰に巻いている。
”透明化”で隠しているから気づかないのは当たり前と言えば当たり前なんだけど……
それはさておき、今、俺が問題視しているのはこの大量のゴブリンの耳だ。多分50匹ぐらいだと思うが
クラス転移してハブられたけど、超能力があるから、なんとかなると思う 菱口 アキト @Hishiguchi
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