第11話

ここで、俺の《ステータス》について説明しよう。


まず、俺には魔力がない。『魔力不適合者』の称号があるからだ。


では、何故その称号があるのだろうか?


俺の考察は、超能力が強すぎるからだと思う。


本で読んだが、《ステータス》とは神から与えられる恩恵とされているらしいのだ。


『真の勇者』、『聖女』……etc.色んな称号が存在するが、これら全ては神によって与えられた恩恵とすると、世界は神に管理されているということになる。


まず第一に、『魔王』が誕生する。これは多分人族の人口が増えたための処置だと俺はおもっている。実際、ここ最近、人口が増加しているという記述があった。


しかしここで、『魔王』に対抗するために“勇者召喚”が行われる。“勇者召喚”は多くの犠牲を払って行われるため、前回の“勇者召喚”で禁呪とされた。が、“勇者召喚”が行われてしまった。勇者一人当たり、50人ぐらいなので、36人でおよそ1500人……


神もまさか禁呪に手を出すとは思っていなかったのだろう。


だが、またしても問題が起こる。それは俺が来てしまったこと……だと思っている。


いくら神と言えども、別の世界の事情なんて知らないはずだ。知ってたら向こうの世界にも同じく、《ステータス》があるはずだからだ。


そうしないと管理するのが難しくなる。


つまり、俺が言いたいのは、俺が来てしまったことにより、世界のバランスが壊れた。ということだ。


ここで、この世界のバランスを保つ一番の方法は、俺の称号を『魔力不適合者』にしてなるべく弱体化(全く意味がないけど)させ、この世界で新たに生まれてくる人々の《ステータス》を上げることだ。


そして、勇者の《ステータス》も上げればギリギリだがなんとかバランスを保てるぐらいにはなるのだろう。


だから今回の“勇者召喚”でレアな称号がたくさん出たのだ。


そして、『招かれざる者』という称号は多分オマケだろう。何にも書かれていなかったし……もしくは、神の愚痴かもしれない。「なんでこんな奴が来ちゃうんだよ!」みたいな感じで


送り返すこともできるだろうが、その時にも召喚と同様に、犠牲はあるはずだし、送り返すのは神の意思ではない。


そして、俺の《ステータス》の******なのだが、表記不可能・ということだと思っている。これも俺の考察なのだが、実際ゴブリンを殴り殺しているのだ。まずここで、赤ん坊と同じ《ステータス》な訳がないことがわかる。


ゴブリンを初めて殺した時は驚いたものだ……なんせ、殴ったら消えてしまったのだから……


さて、そろそろこの森から出なければならない。いつ、めんどくさい奴らが来るか、分かったもんじゃない。


「成る可く早く帝国から離れないと」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る