第10話 新たな『称号』と“スキル”

ダリウス帝国を追い出され、クラスメイトにハブられた俺は、現在、この森に住んでいるゴブリンをひたすら倒して、耳を千切り取っている。


何故、ゴブリンの耳を千切り取っているのかというと、それは金に成るからだ。


ゴブリンの耳一セットで、銀貨一枚に成る。


因みに、この世界の金は、銅貨→銀貨→金貨→白金貨となっている。


銅貨十枚で銀貨一枚、銀貨百枚で、金貨一枚となっていて、金貨が百枚で白金貨が一枚になる。


分かると思うが、白金貨は使う機会が全くと言っていい程ない。高過ぎてお釣りが出せないのだ。


まあ、過去の勇者が書いただろう本には、日本円にしておよそ百万円と書かれていたからな……


向こうの世界にも店先でいきなり百万円出す奴はいないだろうし……さすがに


「ふぅ、とりあえず15匹は狩ったな……」


赤色の液体を全身にかぶりながら言った。


赤色の液体……つまり、ゴブリンの血液だ。帝国の図書館で読んだが、この世界の生物も血液は赤色だ。中には血液の無い奴もいるらしいのだが……いつか会ってみたいものだ。


「取り敢えず身体が臭い……な……“浄化”」


“浄化”は日常生活において欠かせない。

あらゆるものの汚れを初期状態に戻す能力……つまり、風呂がいらない!まあ、風呂に入りたいけども……


「取り敢えずまずは、ゴブリンを金に変えないと……あ、もっと狩ろうかな?」


今はこんなことを言ってるが、初めはリバースしたりもした。だってなんか……グロいんだもん


それに……武器持ってないよ?殴り殺してるんだよ?生々しい感触が残るんだよ?


まあ慣れたからいいけど


「さすがは超能力者といったところか……よーし、一匹!……二匹!……三匹!っと」


ひたすら殺してひたすら千切り取る。……ただの作業だ。


「他の魔物も狩ってみたいものだ」


とうとう頭がジャンキーになってしまった。


さて、ゴブリンを散々殺してきた俺の“ステータス”を観てみようか。


「《ステータス》」


―ステータス―

名前:神谷 陸

年齢:15

種族:人族(超能力者)

レベル:1

攻撃力:******

防御力:******

筋力:******

俊敏:******

魔力:0

魔攻:0

魔防:0


スキル:鑑定 言語理解 計算 剛拳


称号:異世界人 魔力不適合者 招かれざる者

ゴブリンキラー



レベルは変わっていないが、スキルと称号に新しいのが出た。


“剛拳”と『ゴブリンキラー』だ。


俺はその二つをタップした。


《ステータス》の文字をタップすると、スキルや称号の説明を読むことができるのだ。


“剛拳”

物理攻撃[殴]の時、攻撃力が30アップする。


『ゴブリンキラー』

魔物[ゴブリン]との戦闘時、全てのステータス値が5%アップする。


「30アップする。5%アップする。と、言われてもな……だって俺の《ステータス》数字じゃねえし?『魔力不適合者』だし?つまり、意味がない」


俺は、盛大なため息をつくのだった。

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