第18夜 列車の中の魔法学校、喧騒の市場
気が付くと、列車の中にいた。
列車は走り続けている。どこに向かっているのかは分からない。
列車そのものが全寮制の魔法学校で、どうやら自分はここの生徒らしい。誰に説明されたわけでもないのに、なぜか納得してしまった。
外から見るとただの車両なのだが、中はかなり広い。一つの車両の中が廊下の様になっていて、横側に各教室への入り口がある。その戸を開けると教室が広がっているようだ。どういう原理でそうなっているのかは分からない。
床も天井も、焦げ茶色の木でできている。てかてかと光る艶やかな表面を見るに、この魔法学校は長い歴史を持っているようだ。
列車の中を移動していると、渡り廊下のような車両に出た。左右に大きな窓がたくさんあってよく光が入ってくる。窓際にはテーブルと椅子が並んでいて、ここで休憩できるらしい。そのテーブルで休憩している同級生に呼ばれて、ふらふらと近づくと何かを手伝ってほしいと言われた。何を手伝ってほしいと言われたのかは忘れてしまったが、魔法で手伝おうと力を籠めるとすぐそばの窓ガラスに亀裂が入った。窓ガラスってこんなに薄かったっけな、と思っているうちにどんどん亀裂が大きくなって、これは怒られるぞ、と思ったところで次の夢に移ってしまった。
ばかでかい鉄筋コンクリート造りの四角い建物がある。表面の塗装が剥げていて、最近できたものではないなと思いながら中に入る。屋内は人でごった返していた。
果物の市場や電化製品など、ありとあらゆる店や市場が軒を連ねていてひどくごちゃごちゃとしている。もともと立体駐車場のようにがらんとした空間があって、そこにいろんな店がテントを張った、という感じだ。いわゆるショッピングモールのような清潔さはないが、どことなく海外の市場を思わせる活気があった。
私は何を思ったのかその中のある果物屋にアルバイトの応募をしてしまった。すでにアルバイトは1つやっているし、大学だってそんなに暇じゃないのに一体何をやっているんだろう、と思うけれどもう遅い。
確か一度その果物屋で食べた梨がみずみずしくてすごくおいしかったな、と思い出す。
夢の中の私は遠方の大学まで家から通っていて、この建物は大学の近くに位置している。土日にこんなところまで出てくるのは大変だから、平日の放課後限定でアルバイトをするつもりなのだが果たしてそんなことが許されるのだろうか。土日も来てくださいと言われたらどうしよう、と思いながら店の人と話す。案の定平日の夕方だけでは厳しいのでできれば土日も入ってほしい、と言われてしまった。土日はもし車で来るなら向こうの駐車場に車を停めて、なんて言われているのを上の空で聞いている。
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