第2話 月曜日。ムックのラブレター事件。
月曜日。ムックのラブレター事件。
それは、いつもと同じ少し肌寒い朝のことだった。通学路を歩く少女は、すれ違う同級生たちを見つめながらため息を吐いた。楽しそうに嬉しそうに、何のためらいもなく学校へと歩いていく姿を人々が当たり前のように見ている。
(わたしは・・)
少し長めの前髪で黒く区切られた世界を深雪は、その世界と同じ真っ黒な気持ちで見つめていた。そんな深雪の気持ちなんて知りもしない生徒たちは、楽しそうに夕べのドラマのことを話しながら笑って通り過ぎていく。
(わたしだって笑いたい。)
そう毎朝、毎晩、願ってしかしどうしてか、深雪にはその当たり前ができなかった。
深雪は、世間に言わせれば不登校と呼ばれてしまうような女の子だった。
(けど、わたしは違うのに。)
深雪は、決して登校できないわけではなかった。学校に行き着いてしまえば普通に授業に出席することができるし、体調が悪くなったりもしない。ただ、学校に行くことができないのだった。理由なんてない。
ただ、学校に行けないだけだった。
いつものように開けた下駄箱。暗い気持ちで中靴を取り出すと、同時に何かがハラリと落ちる。
「・・ん?何これ。」
まさか生き物ではないだろうと思いながらも。そのまま落としておくわけにもいかずに、深雪はしゃがんで、手を伸ばす。落ちていたそれは、よく見れば手紙で、桃色の可愛らしい封筒にハートマークのシールで封をしてある。
(何だろう。)
恐々拾ってみる。ズシリ、とまではいかないものの中々重量感がある。表も裏も真っ白で差出人も何も書いていない手紙は、恐ろしく不気味だった。
「何か、したかな・・私。」
深雪は、手紙を持ったまま胸に手を当てて考えてみる。
確かに先週、部活を無断で休んでしまい先輩をとても怒らせた。それに、同じクラスの男子の悪行を先生に報告した。とどめは、つい先日。
『・・あぁ、しまった。ごめん、春川・・・忘れてた。』
『萩野・・お前っ!!』
日直の日に。よりによって日直の日に休んでしまったのだ。念のために言っておけば、本当に忘れていたのであって決してわざとではないのだけれど。わざとではなくても日直の日に休んでしまったのは本当であるからして。
「うーん・・本当にたくさんやらかしてるな。」
思い出せばキリがない。しかし・・いや、これはまさか。
「何これ。不幸の手紙!?」
「いやいや、不幸の手紙はこんなチャーミングな封筒に入ってないでしょう。」
5人が額をつき合わせて見ているのは、ピンク色の封筒にハート型のシールで封をしてある手紙。つまり、
「ラブレター・・?」
いつものように分厚い辞書を持ったQちゃんが、部屋の隅の席にいそいそと戻る途中にボソリとつぶやく。それを聞いていたレオが染めたてのオレンジ色の髪を束ねながら、笑う。
「いやいや、だってムックにだよ?」
「どう考えたって出さないニャ。家にアナコンダがいる女子高生だにゃぁ。」
ニャースの言葉に、深雪は少し怒ったように頬を膨らませた。
「アナコンダじゃないからね。トカゲだからね。」
「いや、同じでしょう。爬虫類なんだから。」
ピンク色の封筒を隅々まで眺めていたツキが、言った言葉に、深雪は更に頬の大きさを大きくさせる。
「爬虫類はみんな同じじゃないってば!!何度言ってもわかってくれないんだから。だいたい、アナコンダには足がないけど、トカゲには足が4本ちゃんとありますから!!」
「う・・うん。そうだった。そうだったね。ごめん。ムック。」
深雪の剣幕に押されたツキが謝る。その手から、封筒を奪いながら、レオがひとつの可能性を提示した。
「もしかして、ムックの下駄箱と隣の下駄箱を間違えたとか?」
「あー・・あり得る。ラブレターってそれだけで、もう禁断な香りがするからにゃぁ。どきがむねむねするにゃぁ。」
「・・どきが、むねむね?それは、どういう意味だい?辞書には載っていないのだけれど。」
「あーQちゃん。ニャースの言葉は気にしないでいていいから。それより、どう?ムック。隣の下駄箱は美人さん?別嬪さん?」
レオの質問に、深雪は首を傾げる。下駄箱の美的基準がまったくわからない。汚れていないと美人なんだろうか。削れていなければ、別嬪さん?そもそも、区別がつかないのだからそんな判断なんてできるわけがない。
「うーん・・下駄箱は美人かわかんないけど・・・私の隣は、春川だから。男の子だよ。」
途端にシーンと部屋中が静まり返る。何か変なことを言っただろうか。と深雪がまたしても首を傾げると、またしてもレオが困ったように言った。
「・・ってことは・・ホモかぁ。」
「いや、そこは違うだろう。」
「じゃぁ、なんだよ?まさか、レズ!?」
「なんでそうなるんだ。レオ、お前の頭には正常な規則正しい男女交際って文字はないのか?」
「あるに決まってるだろう。俺には、由香ちゃんという美人でかわいい彼女がいるんだ。」
「・・・・でも、ムックにだにゃぁ。普通の神経なら出さないにゃ。家に招かれてアナコンダの餌にされたら、一大事にゃもん。」
「だから、トカゲだってば。」
話が堂々巡りを始めた。
「さっきから、君たちはどうして憶測で話を進めているんだい?それよりも、中身を見ればいいんじゃないか。そうすれば、差出人もあて先もすぐにわかる。・・違うかい?」
部屋の隅の特等席に座ったまま、さほど興味もなさそうなQちゃんの言葉に、全員がそうでした。と頷く。それを見たQちゃんはやれやれとため息を吐くと、どうしてこうも馬鹿ばかりなんだ。と心の中で呟いた。
「んで。ムック。中は?」
「正解は?男?女?」
「愛の告白にゃ?不幸の手紙にゃ?」
3人の期待のまなざしを一身に浴び、深雪はそっと口を開く。
「・・・見てない。」
「は?」「なんで?」「にゃぁ?」
3人の声を揃えた質問は、もっともである。こんな怪しげな手紙を差出人も宛名も確かめずに後生大事に持ってきた。そんなの意味がわからない。
「読んでない?それは、どうして?」
Qちゃんの質問に深雪は深いため息を吐くと、その日。ラブレターもしくは不幸の手紙を見つけた後のことについて話始めた。
「今日は、そもそもテストだったから学校は早帰り。お昼前には下校だったし。休み時間はテスト勉強の最後の追い込みで必死だったし。ようやく終わって放課後読もうと思ったら、担任の先生に職員室に呼ばれて・・・・」
そう。深雪は今日も担任の先生にお呼ばれしたのだった。この職員室へのお呼ばれは、深雪にとっては珍しいことではない。滅多に学校に来ない上に成績もあまり良くない深雪は、職員室の常連であり、呼び出しの女王であった。放課後や昼休みはもちろん、時間がないときには、電話や土日出勤だってざらだった。そのときに言われることは、その度に違うが、だいたい最後はいつも同じ話になる。
『どうするつもりだ、萩野。お前、これ以上休んだら、進級できないぞ。』
『わかっています・・。』
『わかってないだろう。』
『わかっていますよ。』
『だったら、なんで学校に来ないんだ。お前は、どこも悪くないんだから。学校にくらい来れるだろう。』
『・・・・』
そんなの、そんなのこっちが知りたい。なぜ、朝起きると消えてしまいたいくらいに苦しくなるのか。どうしようもないくらいに切なくて、悲しくて、消えてしまいたくて。みんなの期待に答えたいのに。みんなと同じでいたいのに。それができないのか。
なぜ、自分だけが、こんな思いをしなくてはならないのか。
「・・私だって、普通にしてたいのに。」
深く、まるで心に溜まったガスを吐き出すように深くため息を吐いた深雪にレオが、尋ねる。
「・・それだけ?それだけで呼び出されんの?別に出席日数足りなくたっていーじゃんね?」
「いや、それはダメだろう。お前だって足りてないんだぞ、レオ。」
「え?そーだっけ?」
ツキが眉を寄せたのを敏感に感じ取ったレオは、顔の前に手を出し、ゴメンと笑う。しかし、ツキの表情は厳しいままだ。マズッタかもしれない。そう思うが今は、ムックの問題が先だとツキから視線をそらす。
「もしかして、その担任。ムックのことが好きなんじゃにゃ?」
得意気に持論を展開し始めたのは、ニャースである。ツインテールで作られた耳を撫でながら、ラブレターを手の上で弄ぶ。
「いや、それは・・。」
「あー・・なるほどな。やたら、あの子ブタムックのこと呼びつけるしな。」
「もしかして、手紙の差出人は子ブタなんじゃにゃーか?」
「うわぁ。あり得る!あり得ますね、それ。なるほどねぇ。」
「だから、今日は返事を聞きたくてムックを呼び出したにゃ。」
「けど、返事を貰えなかったからついついまた、出席日数の話を・・あり得るわー」
「いやいや、全然あり得ないですから。君たちの推理は全て間違いです。間違いがスタートラインでしたから。」
どんどん盛り上がるニャースとレオの話にツキが慌ててブレーキをかける。部屋の隅のQちゃんは、もう興味ゼロで辞書に夢中だ。
「何でだよ、ツキ!ツキだってこの間‘あの子ブタはムックに気があるかもね‘とか言ってたじゃんか!」
「そうにゃ、そうにゃ!ムックがあぶにゃーかも!って言ってたじゃにゃいか!!」
「え?そうなの?ツキ?」
「言ってません。にゃーにゃーうるさい人の空耳です。勘違いです。」
ツキが言ったなら本当かもしれないと思った深雪が話しに加わろうとしますが、ツキがそれを必死にブロックです。言った覚えがあるだけにツキも少々気まずいです。
「うるさいな、君たち。どうしてさっきから同じことを繰り返すんだい?手紙を読んでみれば、すぐ済む話だろう。」
部屋中が煩くなってきたところで、辞書をバタンと閉じてQちゃんがやってきます。そして、ニャースの手から手紙をもぎ取ると深雪に鋏とともに渡した。
「え?」
「開けたまえ。君に来た手紙だろう。」
「あぁ・・そうだけど。」
Qちゃんから手紙を受け取り、深雪はそっと手紙に鋏をいれ、
「おはよー・・生徒諸君!!今日もいい日だ。グッデイだ。」
ガラーっと引き戸を足で開け颯爽と現れた金髪センセーに部屋中の視線が一瞬だけ集まり、また手紙へと戻る。そうして、また、深雪はゆっくりと鋏を
「ちょっと、ちょっと、無視するなよー、センセー悲しくなっちゃう!!」
挨拶くらい返してよーとまるでオカマのように絡んでくるセンセーの手をニャースは払いながら、深雪のほうを見る。
「うるにゃい。今、センセーに構ってらんにゃーの。」
「は?何、それ?なんで?」
どういう意味?とセンセーがニャースに食いかかる。
「にゃー!!ムックの下駄箱にラブレターきたんにゃよ!」
ニャースが癇癪を起こして立ち上がるが、センセーはお構いなく驚愕の表情を浮かべたまま、今度はなぜかレオの元へ向かう。
「ぬぁあに?!下駄箱にラブレターだと!」
「うるせぇって!!耳元ででかい声出すなよ!!」
「おお、すまん。すまん。」
そうして、センセーまでも手紙に群がる蜂状態で深雪の手元を見つめる。
「で?中には、なんて書かれてたんだ?差出人は?」
「たぶん、子ブタじゃないかって話てた。」
「いや、それがムックの奴まだ開けてないっていうにゃ。」
「そんで、今から開けるとこだったんだよ。」
全員の視線が、またしても深雪に集まる。
「・・・深雪!」
「はい。」
「お、お・・お兄ちゃんが・・開けていいか?」
「良いけど。」
ここではセンセーじゃなかったの。そんな疑問が口元まで出掛かったが、センセーの大真面目な顔を見ているとそんなことも言えない。伸びてきた大きな手が手紙を持ち、そして、派手な音を立てて真っ二つに破かれた。
「にゃー!!!ばか!」「何してんすか!!」
「あー・・太郎君のハート真っ二つだよ。ハートブレイクだわ。」
太郎君って誰だよ。そんな冷静な突っ込みをこの場で今、言える者は誰もいなかった。きれいに二つになった手紙をまたしても全員で囲む。
「悪い、悪い!つい、力入っちゃって。てへ」
「ついじゃねぇよ!」「てへでもないにゃ!」
混乱の極みの中、Qちゃんはセンセーの手から真っ二つになった手紙を奪うと、便箋だけを抜き取りそれをセロテープで元通りにくっつけていく。
「お。今日のQ介はよく働くなぁ。」
「今日の誰かさんは、非常に使えないけどな。」
「ほほ、今日のレオは厳しいなぁ。」
3人で腕を組みながら、話しているのを尻目にQちゃんは黙々と便箋を元の姿に戻している。軽く5枚はあろうかというその手紙の一枚目と思われる便箋を深雪は手に取った。読みやすい綺麗な字で深雪さんへと書いてある。
「・・う、うそだぁ。」
手紙を読んだ深雪は、大きく声を上げた。
「何?何が書いてあったにゃ?」
「やっぱりホモだったのか?それとも・・・まさか・・」
「深雪!!お兄ちゃんに、お兄ちゃんに見せなさい!!」
わいわいぎゃあぎゃあと手紙に伸びてくる手。深雪に向かって我先にとやってくる男ども。なんともエグイ光景であったが、当の深雪は手紙を読むのに夢中で気づいてなどいない。
「・・これは、まるでストーカー・・・だね。」
ひょいと横から覗き込んできたQちゃんが、手紙の内容を読み、呟いた。そして、よく通る声でその愛の思いを朗読し始める。たっぷりと10分をかけ読んだ内容は部屋中の空気を凍りつかせるには十分な内容だった。つまりは、昨日の朝学校に登校するところから夜家に帰り着くまでの深雪の行動がこと細かに書かれていたのである。
「・・な、なんてこった。全部!全部、当たってる!!ムックの昨日の弁当のおかずまで!!これは、マズイ!まずいぞ!!俺の深雪が誰かに狙われている!!」
わなわなと体を震わせて叫ぶセンセーを見つめていたツキの視線が一瞬にして冷たいものに変わったのをQちゃんは見逃さなかった。しかし、特に新しい情報でも無かったので何も見なかったことにした。
「はは、犯人は?やっぱり子ブタかにゃ?」
息も荒くセンセーの隣でツインテールを揺らしているニャースに構いもせずに、ツキがさり気なく深雪とセンセーの間に入る。
「いや、一番怪しいのは、センセーですね。」
しかし白熱してしまった議論が冷めるはずもなく、レオも参加してヒートアップしていく。
「確かに、子ブタならムックのことをこれだけ見ていても怪しまれない!!」
「いや、怪しまれるだろう。確実に。」
「にゃー!どうしたらいいにゃ!このままじゃ、、ムックが危ないにゃー!!海に落とされたり、崖から落ちたりにゃ!!」
もはや、ストーカーという行動からも離れつつある事件を想像したニャースの言葉に、もはや議論に参加することすら放棄したツキの後ろで話の行方を聞いていた深雪が心配そうな声を出す。
「えぇ!?私、そんな火サスみたいなことになるの!?」
「・・・火サス?何だい、それは?」
興味がないとまたしても、特等席で辞書を読んでいたQちゃんが不意に話しに加わる。しかし、その質問に答えられるほど余裕のある人間は、議論に不参加のツキと深雪しかいない。
「Qちゃん、火サス知らないの?」
「あぁ。初耳だ。サスペンダーの一種か?」
「ううん。火サスっていうのはドラマのことでね。殺人事件とかの話を主に扱ってて・・」
「殺人!!おいおい、ムック!!おちつけぇぇっ!!早まってはダメだ!!」
聞き間違いもほどほどにしてほしい。そう思いながらも、どこから突っ込めばいいかと、ツキが頭を抱えそうになったところにセンセーの冷静な声が響いた。
「いや、落ち着くのはお前だ。レオ。」
「な、何でセンセーそんなに落ち着いていられんだよ!!」
「そうにゃ!そうにゃ!ムックのことが心配じゃにゃーのか?」
さっきまでと打って変わったセンセーの態度に、ツインテールのニャースとポニーテールのレオが猛烈に抗議。しかし、余裕のセンセーである。
「まぁ、俺は大人ですから。・・それに、もし本当にあの子ブタが俺の可愛い深雪のことを好きだったとしても・・」
センセーはここで言葉を切るとニヤリと笑いました。凶悪な笑みです。思わず、ツキもレオも少し身を引きました。
「ま、まさか・・センセー・・」
「ぼ、暴力はダメニャ!!」
「そうだ!ムックを路頭に迷わせる気か?」
「何言ってるの。暴力だなんて、君たちじゃないんだから。まったく。転校させるに決まってるでしょー。」
「そっちの方が、問題です。」
センセーが意外に常識人だったことに安堵しながらも、ツキが冷静に返せば、しかし全く冷静になれていないセンセーがツキを睨みます。
「どこがだよ!!大事な大事な、マイスイートハニー・・じゃなかった。スイート妹が変なデブめがねにハァハァされてるんだぞ!!転校させて転勤するに決まってるだろう!!」
「それは・・そうにゃけど・・」
「・・いや、一番ムックにハァハァしてるのは、センセーだろう。」
ツキが完全に深雪を庇うように体を一歩引いた。しかし、その背から抜け出しながら、深雪はセンセーへと駆け寄る。
「もう、落ち着いてよ。お兄ちゃんも。まだ、根田先生が犯人だって決まったわけじゃないんだから。」
「・・じゃぁ、誰が犯人だって言うんだよ。」
「それは・・・中にも差出人が書いてないから、わかんないけど・・」
最後まで読み終えた便箋の下には、差出人は書いていなかった。手紙を開いてわかったのは、結局、この手紙が深雪宛だったということだけだった。
「ほらーやっぱり子ブタが犯人!ストーカーがわざわざ自分の名前書くわけがないでしょー。」
「まぁ、差出人はともかく、注意するべきなのは確かだ。何者かが君を狙っているのは間違いない。」
「そうだ!最近、変な奴が多いからな。」
「あぁ。特にムックの兄とかは・・」
「うんうん。って、こら!ツキー!!」
「言えてるにゃ。センセー変態にゃ。」
「ニャース!お前まで!!よしわかった。今日の課題はゲキムズなレベルにしてやる。」
「にゃぁ!何でにゃ!!」
「仕方ないだろ、変態と言われて反論もできないんだ。」
「本当、今日一日でセンセーのムックへの異常な愛がどれだけ暴露されたことか。」
こうして、月曜日は何事もなく終わった。ラブレターについては、結局差出人はわからないまま。けれど、学校の帰りはなるべく一人にならないように気をつけるようにと言われた。それから、もしも万が一犯人だった場合のために根田先生には、相談するなということだった。まぁ、別に相談するつもりもないんだけど。だけど、たぶんあれは悪戯だと思う。まぁ、何事もなければ、それだけで。そう思って笑っていた週の始まり月曜日。
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