五箇伝についてちょろっと語ってみる その伍:美濃伝

 さてはてさてはて。


 五箇伝の最後の一つになりました、最後を締めくくるのは美濃伝!

 私もまったく覚えてない美濃伝!

 どんな伝記なのかもうろ覚えな美濃伝!


 なぜだ! なぜなんだ!

 先に書いたように好きな日本刀ばっかなのになぜか調べてなかったであろう美濃伝!


 では、さっそくさっそく。

 覚えている限りでの美濃伝の始まり始まり。


 ■美濃伝

 刀工数:1269工

 有名な刀剣:孫六兼元

 有名な刀工:孫六兼元


 相州伝にも書いた【和泉守兼定】や【青木兼元】もさることながら関の孫六などでも有名な美濃伝。

 発祥は南北朝時代。美濃国(現在の岐阜県)で誕生した五箇伝の中でももっとも現代に近い伝法になります。


 元々は最古の五箇伝、大和国で学び御番鍛冶も務めた千手院。それが興したと言われる流派が、後継者が途絶えたことで、別の鍛冶師、相州伝を学んだ元大和伝の手掻派(大和伝参照)の金重かねしげが美濃で発展させ成長したのが、美濃伝として知られるものとなります。

 この美濃伝が、「折れず、曲がらず、よく斬れる」と言わしめた日本刀の代名詞です。


 そんな美濃伝。

 美濃伝は主に大量生産品――数打物や注文打ちで名を馳せた伝記で、大和伝と相州伝のいいところを合わせ急成長した大和伝系と志津系、金重系の三つの流派が主流となりますが、私がこの辺りを詳しくないのでどんな作風なのかは是非見て調べてみてください。


 関孫六と呼ばれる名刀をご存知かと思いますが(今も名前が残っていますね。刀ではなく包丁として)その名に違わぬ綺麗な太刀と短刀に溢れております。


 さて。この美濃伝には魅力的な日本刀が多々あります。

 そんな日本刀を一部ご紹介。


・金重系

 有名な刀剣:金重

 宮本武蔵が、吉岡一門との戦いで逃げながら戦った時に使っていたとされる名刀。

 これを持ってばっさばっさと吉岡道場の門下生を斬り殺して逃げ回ったであろう宮本武蔵。その時と同じ姿を今にも残しているってことはとてつもなく凄いことなんだなと思います。

 美濃伝の中でも、関孫六とも言われるものは関鍛冶と言われ、先に記載した「折れず、曲がらず、よく斬れる」の代名詞となりますが、その関鍛冶の祖と言われるのがこの金重という刀工でもあります。


・志津系

 有名な刀剣:直江志津

 正宗十哲の一人、兼氏とその門下が美濃国の志津で作刀したことで生まれた流派。そしてこの流派が作刀した日本刀は総じて直江志津と呼ばれます。その中でも、倉敷刀剣美術館にある喜連川志津と呼ばれている直江志津は、現存する直江志津の中でも有名です。

 なお、全然違う話になりますが、倉敷刀剣美術館は日本刀常設展示数はとんでもない数だそうです。ぜひ行く機会がありましたら。(ちなみに私は、いつかいきたいとは思ってます(笑))


・大和伝系

 有名な刀剣:真柄切兼元

 一個前の相州伝のときにもう書いちゃったのであれですが、同じこと書いちゃいます。

 織田・徳川連合軍 対 朝倉・浅井連合軍の合戦、姉川の戦いにおいてとんでも無双していた真柄兄弟を倒した青木一重が使用していた刀として有名です。真柄切兼元は通称であり、正しくは【青木兼元】といいます。




 さて。これで五つの伝法、伝記を書き切りました。

 刀工があって刀がある。

 刀があるから刀工が知られる。

 でも刀工としての魅力、そして日本刀としての魅力は語りつくせない物ではあると思います。

 そのような刀、そして作り出した刀工に尊敬の意を表しながら刀を見るという気持ちを忘れずに。そしてそれらを調べることにより、刀の魅力などを是非知ってみてみください。


 五つの伝記。エセってみました。


 最後に。

 それぞれの五箇伝がどのような年代にあったのかを記載しておきます。

    平安 鎌倉 南北朝 室町 安土桃山 江戸

大和伝:―――――――――――

山城伝:   ――――――――

備前伝:   ――――――――――――

相州伝:    ――――

美濃伝:       ――――――――――――


 重なる年代も多く、年代が重なっていることがそれぞれの相伝を受け継いで進化させていったことともなるのかな、と。


 大和伝から始まり美濃伝に至り、そして現代へと受け継がれた鍛刀技術。

 これからもぜひ伝えいってほしいものですね。


 さて。五箇伝も終わったことですし、次も日本刀についていくつかエセってみましょうか。

 とはいえ、少し間を置いてからの更新となりますが^^;


 ほら。前々から言ってたように。止まらなくなってるでしょ?(笑

 

 ではでは。短くて申し訳ございませんが今回はここまで。

 これからは皆さんが調べて、エセから脱却目指してがんばってくださいね^^

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る