五箇伝についてちょろっと語ってみる その肆:相州伝
さて、ついに五箇伝も四回目。
なのに私はこんな暴挙に至ろうかと考えてます。
そう、残り二伝をまとめてやっちゃおう、と。
……だって、この二つ、そこまでボリュームないんだ、もんっ☆
と言ってみたものの、相州伝に関しては間違いなく「すっげぇボリュームだ、オラワクワクしてきただ!」と、どこぞの龍球の主人公とその奥さんが合体したようなことを言っちゃいましたが、私がそこまでここに知識がない、というのが本音ですね。
特に美濃伝。ここ、そこまで調べた記憶がないんですよ。確か当時調べてた時、自分の中で魅力を感じてなかったんじゃないかなって。でも、よくよく考えてみたら、勘違いしてたんだろうなって思います。
私、日本刀の中でこんな感じで調べるきっかけになったのって、【和泉守兼定】とか、【真柄切兼元】などなんです。
……どっちも、美濃伝の刀工と刀じゃね? と(笑
【和泉守兼定】は、もう和泉守って響きもいいですし、なにより新選組副長「鬼の土方」で有名な土方歳三の刀として初めて日本刀の名前を覚えたと言っても過言ではないほどに衝撃を受けた刀であり、新選組繋がりで調べてみたら、大和守安定って私がもっさり大好きな新選組一番隊隊長および撃剣師範の沖田総司が持っていたといわれる刀に行き着くんですから、そりゃもう歓喜乱舞ですよ。
あ。【真柄切兼元】は、織田・徳川連合軍 対 朝倉・浅井連合軍の合戦、姉川の戦いにおいてとんでも無双していた真柄兄弟を倒した青木一重が使用していた刀として有名です。正しくは【青木兼元】っていうんでしたっけ?
なんでこれに興味もったかってのは、単純に倒されたほうの名前つけられてるんだ、って思ったからですね。
まあ、そんなの調べたりしておきながら、なんでこの辺りを調べなかったのだろうか、と。
若かりし乙女の頃の自分は何を思って調べていたのだろうかと、今更ながらに思いますね。
さて。そんなうら若き乙女(じゃないからね、最近頭皮薄くなってきてるからね)な私のお話なんでどうでもよくて。
さっそく、残りの二伝を、えせったろう。
■相州伝
刀工数:438工
有名な刀剣:名物・庖丁正宗
有名な刀工:相州伝っていったら五郎入道正宗しかないでしょ
さて、ここまでエセった中で、共通とも言えることがあります。
それはいずれも、大きな権力の元で作刀しているということです。
大和伝は寺院のお抱え鍛冶として。
山城伝は天皇や貴族のお抱え鍛冶として。
備前伝は後鳥羽上皇の御番鍛冶の招集による鍛冶として。
それぞれそのように時の権力者に抱え込まれて作刀をしているわけですが、相州伝も例に漏れず。
相州伝は、鎌倉幕府のお抱え鍛冶として生まれます。俗にいう、鎌倉鍛冶です(?
この時代の裏背景ともなるのですが、当時の日本刀は、山城国、大和国に刀剣を作刀依頼していましたが、鎌倉幕府ともなると、時の権力者。日ノ本を支配するためにも権力や兵力を示すこと必要もあったのでしょう、幕府にも常に鍛冶を置く必要があり、山城国からは「粟田口」、備前国からは「備前」「一文字」から各一名ずつ鎌倉鍛冶として招聘したことから相州伝が始まりを告げます。
そんなとき、歴史的「役」が起きます。
かの有名な「元寇」です。
この元寇において、それまでの刀は、厚みが深いことで、何度も斬り合うと簡単に折れてしまうという問題が浮き彫りとなり、それを解決したのが、相州伝の祖とも言われる新藤五国光そしてその弟子の、行光、正宗によって美しさと強靭さを兼ね揃えた新たな鍛刀法を確立されたことで、相州伝へと相成ります。
軽量化しながらも、折れにくい刀。変わらぬ長身で身幅も広い刀。切っ先が伸びたことで打突にも優れるようになった刀。それこそ、現代の私達が知る、日本刀の形、日本刀という芸術品へと昇華したのが、この相州伝となるわけです。
ただ、この相州伝も、翳りを迎えることになります。
鎌倉武士の衰退です。室町時代となると戦もなくなっていたったことで、鎌倉鍛冶もまたともに衰退していきます。
相模国の小田原に移住した鎌倉鍛冶師ですが、この時点ですでに正宗などの技術力も薄れていき、やがて、最後に残った相州伝の綱広が、北条氏の支援を受け、江戸時代、そして明治時代まで鍛刀を続けています。
なので、相州伝はどの伝法より短い期間であった伝法であるのですが、こと、日本刀においては、備前国までが作り上げたこれまでの伝統を更に磨き、新たな変革をもたらした伝法であったと言えます。
そうであったからこそ、その祖とも言われる新藤五国光、その弟子である行光、正宗という名が、現代の様々な人達が、名前だけでも知っている刀工(まあ、細かい話をすると、名前だけ知ってる人は、それが刀の名前だと思っているかと思いますけど)であるのかな、と個人的には思っているところとなります。
さて。そんな刀工。
ここで出した刀工が四名程いますが、その刀工の有名な刀ってどういうものがあるのかな、とか書こうとしたんですけども、なんとも驚きの、やっぱり一つの伝法で一エピソードできてしまっていることに、最初の二つの伝法をエセってやろうとか言ってたのに一つしかできなかったこの哀しさ。
次は美濃伝。なんとか一エピソードで書いてみたいですが、できるかな……。
ってなわけで、今回はここまで。
また皆さんもエセで終わらず、ぜひ調べてエセ以上に知ってくださいね☆
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