Sweet sixteen has never been kissed

床町宇梨穂

Sweet sixteen has never been kissed

彼女はいつも一緒に遊んでいる仲間の一人だった。

アメリカ人のわりに身長も低く、体も細くて、子供みたいな感じだ。

その体に共鳴する様に顔も幼くて、クリクリヘアーがフランス人形を想像させた。

性格も穏やかで、誰にでもフェアだ。

勉強もできるし、ジョークだって面白い。

僕達は本当に仲のいい友達だった。

ある日僕は彼女の十六歳の誕生日が近いので、どんなものがほしいのか探り出そうと思い、一緒にコーヒーを飲んでいた。

そんな時彼女がつぶやいた。

「キスもした事無いまま十六になっちゃう・・・。」

僕らの周りでは結構有名な話題だったが、本当に彼女はキスもした事がないらしい。

「じゃあ、キスしよう!」

「うん」

カフェオレの味がした。

彼女はコーヒーに砂糖とミルクをたっぷり入れる。

「よかった、人並みの十六になれるわ・・・。」

無理に大人ぶった話し方をする彼女はとても愛らしかった。

彼女のバースデイパーティーで女の子達がこの話題を話していた。

「キスしたの???」

「した。」

「誰と???」

「一番好きな人・・・。」

僕はうれしかった。

まだ余分な事を詮索せずに純粋に物事を考えられたあの頃が懐かしい・・・。

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Sweet sixteen has never been kissed 床町宇梨穂 @tokomachiuriho

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