第71話 ちょっと後悔している
ごきげんいかがですか?
どうもいけませんなあ。
つい先日MRI検査で、奇跡のなんにもなし! を達成したわたしは、かなり浮かれていました。路傍の草花やスズメ、のらねこたちにまで自慢話をしていたようです。それをみていた元妻は、本人が何年か前にMRI検査を受けていて「年相応に脳が劣化している」と言われていたみたいです。こいつは少々迂闊でした。
なので、浮かれて踊っているわたしがこのところ『うっかりさん』が出現するようなミスを連発していることに憤慨して「もう、うんざりよ! しばらく顔も見たくないわ!」とプチ絶縁されました。しかし、わたし絶好調で爽快至極な躁状態なので、そんな怒られ方をしてもなんともないのです。あなたがいなくとも、一人で楽しく暮すというか、掃除洗濯でめいいっぱいで気がつくと就寝時間! 合間に読書やインターネットで日が暮れちまうので、他人様と関わりあう必要というかヒマがないのですよ。では、今度お会いするのは、わたしが鬱状態になったらですね。バイバイ。でも、それはそれでツライですよ。ウフフ。
どっちが?
さて、宇賀神メグアナウンサーを地上に降りた天使か天女のごとく思ってきました。もちろんその気持ちは変わりません。
がしかし『ソフランアロマリッチ』の広告における、我が正妻新垣結衣さんの美しさは一体どないなってるのですかね? とても御年、三十一歳とは思えません。かつて『アグネス体操』や『ポッキーダンス』から結衣を見続けてきましたが、なんら変わるところがありません。
綺麗だ。綺麗すぎます。
だからと言って、メグちゃんを手放すことなどとても、出来ません。いますぐにでも、ビッグバードに乗り込んで、メグちゃんを攫いたいくらいです。でも、場所がわかりませんし、まず持って、赤坂まで行く交通費がありません。
メグちゃんが『ひるおび』かなにかの取材で十日市場に来てくれれば、そして一目、わたしを見てくれれば、
「運命の人っているんだ」
とわかって貰えるはずです。
ソウルフード……違う、ハウスメイト……このギャグは既出でしたね。すみません……そう、ソウルメイト。運命の人。ただの美人でしたら、わたしもこんなに暑くなりませんよ。もうジジイですから。でも、感じるんですよ。なにかはよくわありませんがね。とりあえず、ウチにいらしたう普賢菩薩のお人形に、三拝してお酒を献上して御祈願をしましたよ。なにをですって? メグちゃんとの婚姻をですよ。笑ったな、そこのやつ。年は離れて、生活保護受給者で、おう、それでも、成し遂げるんじゃい。あの天女を射止めるのは、令和の諸葛孔明ことこの風花太郎平光明において他になし。メグ殿、必ずお迎えに参上仕りますから、ギターでも弾いて待っていてくだされえ。
誰もが笑うでしょうな。でも、やっちまうんですよ。躁状態の人間はね……ふふふ。
では。
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