12/21 画力がない
画力がない。
画力がないということは、絵がかけないということだ。近所のカフェ、最近行った旅行先、遊んだゲームの風景、実家の部屋の構図、取り壊された小学生のとき遊んでいた公園、捨ててしまった玩具の遊び方、買い換える前の家具、レシピを見てどうにか作った料理、飼っていた猫の表情、失くなった親類が身に付けていた雰囲気や服、その他もろもろ、今ぎりぎり覚えている私しか知らない写真を現像できないということ。
そして忘れたら忘れたで、その分何かを得たり成長しているのだし、どれだけ大切でも思い出せなくても"悲しい"以外に何もないので、人生としてはかなり真っ当だ。しかし一度忘れたものは決してそのままの形で戻ってこない。修理に出すのと同じで、どこ欠けて、欠けたところを直すと本来そこにあったものとは微妙に違くなってしまう。欠けたままでも直しても、どのみちいつかは忘れるし消える。どちらがいいかわからない。何にそんな執着しているのかもわからないが、それでもそれが好きだったことは覚えている。
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