16.黄昏の空から(1)
【予備知識】
・舞台は2082年のアフガニスタン。
・米印主体の平和維持軍『PRTO派遣軍』と反政府勢力『パシュトゥーニスタン』が戦う。パシュトゥーニスタンはロシアから支援を受けている他、外様の武装組織『シスコーカシア戦線』とも協力関係にある。シスコーカシア戦線自体も二派閥に分かれており、互いに油断ならぬ関係であった。
・主人公ジーク・シィングはPRTO派遣軍の兵士であり、
【これまでのあらすじ】
・PRTOの空中空母〈キュムロニンバス〉は沈み、シスコーカシア戦線の切り札〈シャングリラ〉による高高度砲撃が始まった。戦術核に匹敵する威力のビーム砲撃が立て続けに撃ち込まれ、PRTOの攻勢は完全に頓挫。全戦線で大混乱が発生していた。
・一方で、混乱しているのはパシュトゥーニスタンも同じだった。〈シャングリラ〉の砲撃支援はシスコーカシアの独断であり、彼らの認知するところではなかったためだ。
・どちらの当事者も状況を掴み切れていない中、各前線部隊は動き始める。生き残るため、あるいは混乱に乗じて敵を討つために。
◆ ◆ ◆ ◆
「……アリスタルフ派は
「そこは解った。だがあのビーム砲の破壊力は何なのだ!? 爆撃が止まったのはいいが、こうも撃たれては穀倉地帯が焼野原だぞ! アフマド・ハーンは承知しているのか!?」
深紅の超大型二輪車に跨る小型機――パシュトゥーニスタンの急造T-Mech〈ジャハンナム〉の操縦席から、トール・ギルザイが問い詰めるように言った。
彼の背後にはロシアから供与された5メートル級高機動Mech〈スヴェジー・スネッグ〉が十数機。横にはゼリムハン派の〈ダビデ〉隊を乗せた装甲輸送車の姿。それらを先導しつつPRTOの空襲から守るのは、ゼリムハンの重対空機〈アズガルド〉である。
攻撃目的はおよそ20キロメートル先、整備中の敵T-Mech部隊であった。
「〈シャングリラ〉はアリスタルフの子飼いだ、俺は関知していない」
「知らぬ存ぜぬとは無責任な!」
「こっちが言いたい、うちのシャミルも見殺しにされたんだぞ」
烈火のごときトールの弾劾に、巨漢の傭兵隊長ゼリムハンが負けじと吐き捨てる。もはやそう公言することを躊躇わぬ程度には、彼はアリスタルフへの不信感を強めていた。
前回の戦いの後、ゼリムハンはアリスタルフに〈ティル・ナ・ノーグ〉の位置を共有するように取り付けた。前線における互いの行動を共有し、両派閥の対等性を保つためである。
その約束自体は守られた。だが――渡河戦の時もその後も、〈ティル・ナ・ノーグ〉の働きにどうにも積極性が見られない。その気になれば、一対二でも抗戦できるほどの戦闘巧者にも関わらず、である。
(ジナイーダの砲撃支援も偶然か、あるいは故意に遅らせたのか)
後続部隊とデータリンクの画面を交互に確認しながら、ゼリムハンは乾いた無表情の下で苛立ちを押さえ込んだ。
支援が遅いこと自体に文句はない。シャミルや狙撃隊の部下たちが死んだことも、それ自体は戦場の摂理である。それは解る。
また、紛争を煽りたいアリスタルフからすれば、PRTOの重要戦力たるT-Mechを撃破するのは不都合だろう。それも解る。
だが――アリスタルフは確かに支援をすると、自分たちは対等な同志だと言ったのだ。そう言っておきながら自分都合で手を抜く、その舐めた態度が気に入らない。ゼリムハンにも組織の面子とプライドがあるのだ。
この独断専行はその意思表示であり、リーダーとしての部下たちへの顕示だった。ゼリムハン派はアリスタルフの手下にあらず。自分たちの都合のために死ねというのであれば、こちらも生存のために相応の態度をとらせてもらう。
「とにかく――原因は不本意だがチャンスはチャンスだ。違うか、トール・ギルザイ?」
「解っているとも、ゼリムハン・バスタエフ! ……俺は政治のことは皆目解らんが、ともかく奴らを倒せば有利に違いはあるまい! 殺すぞッ!」
爆走する深紅の二輪車の上で、トールが目を血走らせて叫んだ。
「〈スヴェジー・スネッグ〉全機、精鋭部隊の義務を果たせ! パシュトゥーニスタン最大の敵、『三つ目』の悪鬼を殺す好機だ! ――敵に死をもたらせェェェェェァァアアッ!」
「殺せ!」「殺せ!」「殺せ!」「殺せ!」「殺せ!」
〈ジャハンナム〉がウォーハンマーを振り上げると、後続の〈スヴェジー・スネッグ〉部隊が呼応して鬨の声を上げる。回線内に響く絶叫にゼリムハンが顔をしかめた。
「暑苦しい連中だ。……ポリーナ」
「はい、ボス」
輸送車の中から、ポリーナと呼ばれた狙撃隊の隊長が答えた。
年の頃は20と少し、灰髪のシャギーショート。狼のような雰囲気の女である。彼女の周囲ではカーキ色の〈ダビデ〉に乗り込んだ隊員たちが、無言のまま自機の60mm
「〈ダビデ〉もローラー走行が可能だが、速度は〈スネッグ〉やT-Mechとは比較にならん。周辺の場固めと索敵に徹しろ。指示はいつも通り」
「生存優先、承知してます。……もう死人は出しません」
「然りだ。……
巨漢の傭兵隊長は低く言うと、ヘルメットに内蔵された非侵襲式BMIから〈アズガルド〉に加速を命じた。
甲虫じみた漆黒の甲冑――多連装レーザーユニットを備えた重対空機が、両肩と腰部前後のジェットスラスターから火を噴いて飛ぶ。その右腕では破壊されたスマート・ガトリングに代わって、大口径機銃を四門束ねた重火器が鈍く黒光りしていた。
◇
「敵T-Mech部隊が戦線を突破、こちらにまっすぐ接近中――攻撃ヘリは周辺を探れ! 光学迷彩付きのT-Mechがいるぞ!」
その情報が伝わった瞬間、サムエルがほとんど怒声のように命令を出した。
前席で目を閉じてリラックスしていたディナが一瞬で表情を引き締め、姿勢を起こして操縦レバーを握る。
「ロック! 作業はもういい、撤収を急げ!」
「まだレールガンの装填が……!」
「間に合わん、下がれッ!」
ジークが怒鳴り声を上げ、身を屈めていた〈ヘルファイア〉を強引に立ち上がらせた。
〈ヴァルハラ〉のビーム・ラムによって損傷していた腰部エンジンは既に交換され、本来の推力を取り戻している。無数の砲弾や斬撃を受けた両腕も、防御の要である重複合装甲の交換を終え、上から新品の外殻カバーを被せていた。
未だ腕以外の部分には凄絶な傷痕が残っており、胴体正面の三つ目のペイントも墨を擦りつけたような擦過痕で抉れている。骨格フレームや人工筋肉の疲労も無視できない。
だが――少なくとも、修理前よりは格段にマシな状況だった。ロックたち熟練の整備員あっての成果である。
「〈ピースキーパー〉も行け! 対空射撃をやるんだろうが!」
「そのつもりだが、貴様はどうする気だ」
「決まってる! 奴らの横腹を食い破って……」
ジークが言いかけた、瞬間――〈ヘルファイア〉を照らす西日が不自然に揺らぐ。
「ッ!」
ジークの本能、そして〈ヘルファイア〉に組み込まれた統御AIが共に警鐘を鳴らす。
彼は咄嗟に傍の大身槍を引き抜くと、両手で水平に構えて空に掲げた。
――次の瞬間、空から降ってきた銀色の人型が〈ヘルファイア〉に直撃した。
一本が欠けた四本腕に、恐竜の後ろ脚めいた多関節脚部。カバーに覆われた無貌の頭部。降ってきた人型の正体はアリスタルフ派の哨戒狙撃機、ターニャことタチアナ・アルハノフの〈ティル・ナ・ノーグ〉である。鉄球を家屋に叩きつけたような衝撃音が響く!
「ちぃぃッ!」
舌打ち混じりにジークが唸る。
まさに間一髪。〈ヘルファイア〉は高高度からの飛び蹴りを槍の柄で受け止め、膝を曲げて衝撃を吸収していた。そのまま横に逸らしつつ槍を押し出し、逆に敵機を突き飛ばす! 〈ティル・ナ・ノーグ〉は猫のごとく軽やかに着地!
「射線にいる者は伏せろッ!」
即座にサムエルが叫び、〈ピースキーパー〉の砲塔を急旋回させた。
整備員たちが逃げ惑う中、灰青の大蜘蛛が胴部155mmレールガンを発射。耳をつんざくような風切り音と共に、〈ティル・ナ・ノーグ〉に必殺の絶命直射が迫る。
「…………」
ターニャは無表情のまま機体に思惟を送り、無貌の四腕機を再び跳躍させた。
〈ティル・ナ・ノーグ〉本体にスラスターはないが、多関節脚部の生み出す脚力は〈ヘルファイア〉のそれをも上回る。10メートル級の大型機がバネ仕掛けめいて跳び上がり、脚の数十センチ下を榴霰弾が通り抜けた。
「……
ぼそり、とターニャが呟いた。最初の急降下攻撃で突き倒し、そのまま至近距離からレールガンの5連射を浴びせて確殺する算段は空振りに終わった。
〈
「……
直後、メタマテリアルの白い霧が無貌の四腕機の足元に渦巻き――そこに巨大なディスクカッターじみた熱核飛行ユニットが姿を現す。
「何だありゃ、ドローンか!?」
「構うな! 集中砲火だ、T-Mechを守っ……!?」
カイル・ホワイトの攻撃ヘリ部隊が一斉射撃を叩き込む寸前、〈ティル・ナ・ノーグ〉は光学迷彩システムを再起動した。リアスカートから噴き出したメタマテリアル粒子が機体を包み、四腕機の姿が空に溶ける。
直後に無数の対戦車ミサイルやロケット弾が四方八方から放たれたが、既にそこに〈ティル・ナ・ノーグ〉はいなかった。
◇
「ご命令通り、仕掛けました」
外部からの光が遮断された暗闇の中、〈ティル・ナ・ノーグ〉は視界をカメラアイから3Dソナーへと切り替えた。ワイヤーフレームのような白黒の視界に、警戒態勢に入った敵機が映し出される。
「――本当言うとね、こういうグダグダなのは不本意なんだよ。ゼリムハンの奴が事をややこしくしてくれた。面子で動く奴らはこれだからな」
ターニャの耳元、通信回線の向こうでアリスタルフが独り言のように語る。
この通信をジナイーダは聞いていない。〈ティル・ナ・ノーグ〉と〈シャングリラ〉は直通の回線が存在せず、必ず〈スカーヴァティ〉を介する必要があった。
「……」
ターニャは何も返さない。実際、アリスタルフの方もまともな返事は期待していないのだ。この父娘の関係には決定的に熱が欠けていた。
「ともあれ――命令は変更だ。敵のT-Mechの首を取り、彼らを納得させてやるがいい」
「はい」
「だが片方だけだ。ゼリムハン達はお払い箱になっても次の雇い先を探すだけだが、我々はこの国でまだやることがある。――片方だけ、確実に
「……了解」
黒髪の少女が平坦な声色で答え、それからどちらを狙うべきかを思考した。
機体相性的には〈ピースキーパー〉の方が御しやすい。あの四脚T-Mechは制圧火力こそ高いが、設計思想が通常兵器の延長から抜け出せていないのだ。複数の通常兵器を相手にするのと対して変わらない。
だが――ターニャは飛行円盤に腕一本で掴まると、再び〈ヘルファイア〉目掛けて急降下を開始した。
(……片方ならば『三つ目』を殺る)
アリスタルフにも、また彼女自身にも思いもよらぬことだったが、ターニャは水面下で〈ヘルファイア〉を意識していた。好敵手としてではない――打倒すべき障害として、希薄な感情領域を憎悪で満たしていた。
〈ヘルファイア〉は組織の脅威であり、自分を出し抜いた強敵であり、そしてジナイーダが執着する相手なのだ。生かしておく理由がない。
〈ティル・ナ・ノーグ〉が姿を消すように、この世から奴を消してやる。
飛行円盤〈ギロチナ・ストール〉が熱核ジェット排気を噴き、無貌の四腕機が空中旋回。円盤そのものを巨大武器として、そのまま〈ヘルファイア〉に投げつけた。その外縁には鋸刃状の振動ブレード、当たれば大被害は必至!
「行け! 俺に任せりゃいい!」
〈ピースキーパー〉に言い捨て、ジークが躊躇いなく前進をかける。背後では整備員たちが身一つでティルトローター機に乗り込み、大急ぎで離陸を試みていた。
幸い、敵機は単独。敵は以前のジャラーラーバード強襲の時と同じく――連携がうまくいっていないのか――戦力を逐次投入している。
だが、周囲には逃げ遅れた整備員がいる。ここで〈ヘルファイア〉の熱核ジェットを吹かせば、377トンの大推力はそのまま凶器となって大惨事を生むだろう。距離が必要だ。
「クソッタレがッ!」
〈ヘルファイア〉が岩塊じみた重装甲脚部を振り上げ、水平に飛んできた円盤を蹴り上げて弾き飛ばした。
だが次の瞬間、追って肉薄していた〈ティル・ナ・ノーグ〉が至近距離に再出現。身を屈めて懐に飛び込み、もう一度レールガンの接射を狙う!
「死ね。……死ね、お姉様の敵」
「舐めるなァッ!」
〈ヘルファイア〉が上体を捻り、左脇腹に増設した火炎放射器――ペレット状のテルミット焼夷剤を撃ち出す焼夷散弾砲を撃ち放つ。
装甲で覆われた〈ティル・ナ・ノーグ〉は本来、焼夷剤程度で損傷することはない。だがそれを知らぬターニャは敏感に反応し、攻撃を中断してバックステップを踏んだ。
――その隙を狙って〈ピースキーパー〉が離陸、シャーシ下に装備した大口径ガトリングを向ける。
「撃ちつつ後退だ。……死んでもそこを通すなよ、野良犬!」
「またね。お互い生きてたら」
言いながらディナが引き金を引き、ガトリング砲が猛火を噴く。
しかし戻ってきた〈ギロチナ・ストール〉が射線に割り込み、文字通り盾となって〈ティル・ナ・ノーグ〉を護る。分厚い銀色の曲面装甲が砲弾をすべて弾き返した。
熱核融合炉を内蔵するこの無人機は、相応に強靭な防御構造を持ち――BMIと人工知能OSを組み合わせた統合制御によって、ターニャの意のままに動くのだ。
「上等! この野郎、今度こそぶっ殺してやる!」
そこに――流れ弾に当たるのも顧みず、〈ヘルファイア〉が突撃した。
すぐさま放たれたレールガンの迎撃が胴部装甲の一部を抉ったが、三眼の怪物は止まらない。低姿勢で脇をくぐるようにタックルを仕掛けて、ラピッド・レールガンを持った右下腕を抑え――瓦礫を押し退けるブルドーザーのごとく、力任せに北へ押し込む。
「おおおおおおおおおおおぉぉぉッ!」
「……不覚」
ターニャが無表情のまま、千切れた自機の右上腕を見た。腕が万全ならばみすみす掴まれはしなかったものを。
〈ティル・ナ・ノーグ〉が両足先のクローを地面に突き立てて、強靭な脚力でブレーキをかけた。同時に左手二本の振動クローを展開し、敵機の肩関節を狙って抉り込む。
そして減速した〈ヘルファイア〉の背後から、更に〈ギロチナ・ストール〉が飛来。鋸刃付きの巨大円盤が飛行姿勢を90度バンクし、地面に対して垂直に迫る!
「ちぃッ! もっと距離を開けたかったが!」
ジークが舌打ちして針路を横に振り、熱核ジェットエンジンのスロットルを開いた。
〈ヘルファイア〉の背中と腰背部、計10基のスラスターが爆発的推力を発生させ、後方で砂埃が舞い上がる。拮抗しかけていたパワーバランスが再び〈ヘルファイア〉に傾き、組み合ったT-Mechが北向きの尾根を駆け上がっていく。
しかし巨大円盤は蛇のような軌道を描き、正確な推力制御で追ってくる。〈ジャハンナム〉の装甲自律バイクに近い挙動だが、その性能は段違いであった。
(奇怪な物を使いやがる。どう捌くか――)
鈍化した時間感覚の中、ジークが思考を巡らせた。
後ろ蹴りで円盤を逸らせば、正面の敵機はすぐさま片足立ちの〈ヘルファイア〉を引き倒すだろう。そして無慈悲なレールガンの追撃が自分を殺す。
かといって拘束を解いて回避に走っても、恐らく結末はそう変わらない。生半可な回避は自分を追い詰めるだけだろう。ならば――。
「力押しで、やるッ!」
〈ヘルファイア〉が大身槍を手放し、右腕を無貌の四腕機の脚の間に差し入れた。
振動クローが肩を裂くのにも構わず、怪物が身を起こし――坂の上側に立っていた〈ティル・ナ・ノーグ〉を引っこ抜くように担ぎ上げる。そして!
「――死んで
1.5倍近いサイズ差を物ともせず、〈ヘルファイア〉が爆撃じみた急角度ボディスラムを決めた。背後の地面、巨大円盤の直撃コース上に〈ティル・ナ・ノーグ〉が顔面から叩き落とされる! 地響き、そして衝撃音!
腕が欠けた〈ティル・ナ・ノーグ〉は満足に受け身をとれず、無貌の頭部カバーが地面との激突で砕け散った。飛んできた〈ギロチナ・ストール〉が自爆を避けるべく二機を飛び越え、そのまま尾根の反対側に抜けていく。
「――フゥーッ……」
ジークが素早く大槍を拾い上げ、細く息を吐きながら残心をとった。
今は〈ヘルファイア〉が坂の上、〈ティル・ナ・ノーグ〉が坂の下にいる。つい先程までとは逆の構図。
南に見える急造整備所に、もはや人の姿はない。少しばかりの物資の箱が街道脇の荒野に雑然と散らばっていた。散開したまま援護の機会を伺う攻撃ヘリ隊の向こうには、翼端のローターを水平にして飛び去る輸送機の姿。
(足手纏いはいなくなった。だが)
注意深く構えるジークの眼前で〈ティル・ナ・ノーグ〉が起き上がる。
「………………」
〈ティル・ナ・ノーグ〉の顔無しのフェイスカバーは破れ、皮を剥いだアニマトロニクスじみた内部機構が露出していた。シスコーカシア戦線のT-Mechに共通する赤いモノアイに、乱杭歯めいて並んだ放熱板。
それまでの無表情とは別物のような悪相がジークと〈ヘルファイア〉を睨んでいた。剥き出しの殺意を湛えて。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます