6.スウォーム・ミサイル乱舞

【これまでのあらすじ】

・ジーク・シィングは米印を中心とする国際軍事組織・PRTO派遣軍の兵士であり、アフガニスタン戦線で超重装甲機〈ヘルファイア〉を預かるパイロットである。

・強過ぎる反骨の気性から不和が続いていた上官を殴り飛ばしたジーク。新たな上官として着任したのは、ミャンマーで名を上げた精鋭サンドバル兄妹だった。

・野心家にして激情家である兄サムエルと殺し合い寸前まで発展しかけたジーク。技術主任ロックの仲裁により、彼らの駆る新型機〈ピースキーパー〉とプライドを賭けた模擬戦を執り行うこととなった。


◆   ◆   ◆   ◆


 ガレージ奥のシミュレーター室、そこに設置された操縦シミュレーターは、床から生えた巨大なアームがラグビーボールを掴んだような形をしていた。

 軽自動車ほどのサイズのラグビーボールの中にある操縦席で機器を動かせば、それに合わせて仮想空間上の機体が動くと共に、アームが駆動して機体の傾きや機動のGを部分的に再現する。

 

 それ自体がかなり大掛かりな装置であるため、〈ピースキーパー〉用のシミュレーター室はジークと向かい側の部屋に新しく設置されている。部屋に入ってすぐのところにあるハンガーに軍服の上着をかけ、サンドバル兄妹はブラウスとズボンのみで座席についていた。


「――脳味噌ぶちまけて死ね、あのサイボーグ野郎!」


 ゴールディングに見せたのとは打って変わった粗暴な態度でサムエルが吐き捨てると、隣に座るディナが鼻白んだ様子で背もたれに寄りかかった。


「誰も彼も皆死ぬのに、つまらないことに拘って」

「奴の思い上がりは隊長として叩き潰さねばならん」

「言い訳を探すのが上手ね。ただの鬱憤晴らしでしょ」

「だったらどうした。誰だって格下に突っかかられたら腹が立つ、憂さ晴らしにぶん殴りたくなる、それが自然な心理という物だ。弱者死すべし、向上心も協調性もないクズはストレス発散のサンドバッグがお似合いだ。違うか?」

「主は正しき者をも悪しき者をも調べ、その御心は乱暴を好む者を憎まれる」

「下らない」


 うんざりしたように言い放つ兄に対して、(よくもこの性格でやってこれたこと)とディナが呆れ半分で感心し、しかし口には出さないまま溜息をつく。既にサムエルはやる気満々で後部座席で準備を始めているが、なし崩し的に巻き込まれた自分はどうなるのだろう。


 先任と新任、上官と部下という関係性を差し引いて考えても、つまるところこの厄介事は二人の負けず嫌いが相手を自分の下に置こうとせめぎ合って生じたものなのだ。不干渉と個人主義が信条のディナとしては不本意な状況だった。


「とにかく、刃向かってくる奴は立ち上がれなくなるまでブチのめすのが俺のやり方だ。コーランか剣か、臆病と暴力なら暴力の方がいいとマハトマ・ガンディーだって言ってるだろう?」

「暴力より非暴力の方がいいとも言ってる。彼はヒンドゥーだし」

「同じようなものだろう。居もしないものを有難がる馬鹿野郎だ」

「そうやって当たり散らしてストレス発散するの止めてよ。付き合わされる身にもなって欲しいわ」


 ディナがそこで言葉を止め、僅かな呆れと非難の色を込めて後部座席に座る兄を一瞥する。睨まれたサムエルがぐ、と言葉に詰まったように口を噤む。

 兄は人を人とも思わぬ傍若無人な本性を虚飾で塗り固めたような人間だが、実妹である自分に対しては甘い。ディナはそのことをよく自覚していたし、この兄を抑え込むことができるのはおそらく自分だけだろうという事を、ややうんざりしながらも受け入れていた。


「……悪かったよ。成り行きとはいえ、お前を巻き込んだ」

「今回だけよ」


 兄がやっと素直に謝ったのを見て、ディナはそれ以上の追及をやめ、(私も兄貴に甘いな)と内心で独り言ちながら長髪を後ろでまとめ、シートベルトを締めて体を座席に固定した。


 〈ピースキーパー〉の操縦席は極力簡素化されており、レイアウトは強いて言えば戦闘ヘリのそれに近い。機体操縦と武装の発射を司るスティックとレバー、ペダル、それと半環状のレールに窓状に設置された二基の大型タッチパネルのみとなっている。

 座席のレイアウトは前後で共通で操作権の委譲オーバーライドも可能だが、基本的にはサムエルが火器管制、ディナが操縦を担当するため、それぞれ自分が使わない機器は邪魔にならないよう格納し、操作権限も前後で分担してあった。


 HUDヘッドマウントディスプレイ付きのヘルメットを二人が装着し、周囲映像――という体でCG合成された架空の外部映像をバイザーに投影する。

 眼前に広がるのは、衛星写真から作り出した架空の山岳地帯。本来であればセッティングによって各所に敵が配置されるが、今回は何もいない。


「XTM-1は低火力だが装甲は頑強、スペック上の最高時速は950km/hに達する。正気の沙汰とは思えんスピードをOSによる補助と脳直結操縦で制御しているそうだ。――だが時代遅れの恐竜だな。実戦兵器としてチグハグにも程がある」

「結果が全て、言われたでしょ」

「解っている。――こちら準備完了だ。そっちはどうだ?」


 ヘルメットの通信機を通し、サムエルが隣の部屋に語りかける。


「――とっくに終わってる」

「ならいい。さっさと自分の死刑台のスイッチを押すことだ」

「……」


 威圧的な沈黙を保つ隣室のジークは、既にその全身を固定具とシートベルトで座席に繋いでおり、分厚い緩衝材の入った兜のようなヘルメットを被って胸椎のコネクタに座席から伸びた神経接続ケーブルを差し込んでいた。コックピット自体がロッカー程度の容積しかないこともあり、その姿は棺桶に閉じ込められた死体や昆虫の蛹を想起させる。


「音声認識。神経接続開始。シミュレーター起動」

『神経接続開始、了解。……完了。機体OSのアップデートを確認、シミュレーター起動します』

 

 その電子音声を合図に全身の機械義肢から力が抜けた。筐体にインストールされた〈ヘルファイア〉のOSが起動すると共に、シミュレーターが作り出した疑似的な感覚がジークの脳髄に流し込まれる。


「さて……!」


 気合を込めて両手を打ち合わせると、暗い赤に塗られた重複合装甲で覆われた〈ヘルファイア〉の腕が眼前でぶつかりあった。装甲がぶつかる音、外部視察カメラの視覚、マニュピレータ先端のセンサーが感じる触覚、全て現実と見紛う再現度である。

 チェーンガンは腕部内、ミサイルランチャーは肩に。アクスは腰部のリアスカートにマウントされている。武装の動作設定に問題もない。どれもジークの思考一つで起動するはずだ。


「今からシミュレーターを同期させる。初期設定ならお互いの距離は10kmだ。先に行動不能判定が出た方が負けになる。後からグダグダ抜かすなよ」

 

 ジークが訊くと、サムエルは傲慢さを隠そうともせずフン、と鼻を鳴らした。


「辞表の文面でも考えておくんだな。俺の部下にお前のような男はいらん」

「……」


 ジークが無言のままぶつりと通信を切断すると同時に、遠くで一発の信号弾が上がり、空中で炸裂して色のついた煙を散らした。〈ピースキーパー〉の打ち上げた物であることは明らかだった。


「殺してやる……」


 かぶりを振って――首はがっちりと座席に固定されているので、ほんの数センチも動かすことはできなかったが――無感情に呟いて思考を落ち着けた後、ジークは脚部ローラーを展開してスラスターを吹かした。


 爆風に乗って〈ヘルファイア〉の巨体がみるみる加速し、早回しのムービーを見ているような速度で山々の間を駆け抜けていく。実機と違って座席に叩き付けられるような激烈なGを感じないことに一瞬奇妙な感覚を覚えたが、すぐに頭の中で補正をかけた。シミュレーターではこれが普通だ。


(あの機体は謎だが、あの図体で長距離砲にミサイルランチャー。近接戦なぞはできないはず――元より相手が何だろうが、突っ込んで叩き切る以外の戦法はない)


 自機のスピードに照準速度がついてこないという深刻な問題を抱える〈ヘルファイア〉にとって、遠距離戦というチョイスはない。前方に存在する岩や窪地と言った障害物を予定調和のように回避しつつ、とうとう亜音速域に達した〈ヘルファイア〉が疾走する。


(やってやる) 


 〈ヘルファイア〉のBMI操縦は、既存の操縦桿やペダルを用いた方式とは根本的な感覚からして異なっていた。

 神経接続中の機体は基本的に搭乗者の意思を反映するが、高速走行中の機体制御や敵弾の回避は戦術判断AIが組み込まれた機体OSが自己判断で行う。いわば脊髄反射の領域を拡大しているようなもので、これが人間離れした敏捷性の正体だった。


 1年半に渡って実戦経験を積んだOSはジークの思考パターンにぴったり追従しており、もはやどこまでが自分の意思でどこからがシステムの判断なのか、ジーク自身にもほとんど判別がつかない――そういうことを指して「人間がシステムに取り込まれている」という者もいるが、構うものか。間にハンドルだのペダルだのを挟むかどうかというだけの違いであって、そもそも機械という存在自体が人間の意志を汲み取って動くものだ。


 奴らには、バトルアクスが火を噴いて装甲を抉り取る様を特等席で見せつけてやる――スラスターからのジェット噴射で地表を焼き払いながら、ジークが己が体と化した〈ヘルファイア〉を走らせる。

 


「凄い速さ。地に足を着けたまま飛んでるみたい」

「所詮はバーチャルだ。それに――」


 初期位置近くの山上に構える〈ピースキーパー〉の中で、ディナが感心したように呟く。それを見たサムエルが後ろで面白くなさそうに鼻を鳴らし、タッチパネルに指を触れた。

 その操作で異形の四脚機体の背部に装着された2基の60連装ランチャーのハッチが開き、露わになった発射口からミサイルの弾頭が蜂の子のように顔を出す。


 この口径80ミリの多機能ミサイルは対爆発反応装甲ERA用のタンデム多目的成形炸薬HEAT-MP弾頭を持ち、対地・対空の両方に使用可能である。それに加えて新型の高精度誘導装置と高効率推進剤が搭載され、ずば抜けた射程距離と誘導性能を獲得していた。


 戦車の薄い天板を狙って飛ぶトップアタック機能はもちろん、低空を飛ぶヘリコプターや対地攻撃機ですら追い縋って撃ち落とす多目的誘導弾、通称スウォーム・ミサイル――それを左右合わせて120発。機甲部隊一つを焼き払って有り余るほどの数を積み込んでいた。


「――何が装甲だ、何が俊敏性だ。この〈PK〈ピースキーパー〉〉の火力で叩き割ってやる!」


 サムエルがパネルから同時発射数を調整して引き金を引くと、左右のランチャーからミサイルが5発ずつ垂直に射出された。

 計10発のミサイルが空中で大きく弧を描き、〈ピースキーパー〉のレーダーとFCSの誘導に従って5km先の〈ヘルファイア〉に接近。昆虫の群れ(スウォーム)の名の如く一斉に襲い掛かる。


「この程度のミサイルで!」


 前方より飛来するミサイルを視認したジークがスラスターの推力方向を側面に偏向、機体を大きく横滑りさせてミサイル群を回避する。誘導弾の群れが一瞬前までジークがいた場所を通過し、そのまま風切り音を立てて後方へと飛んでいった。


「避け……!?」


 しかし、次の瞬間――背後に抜けたスウォーム・ミサイルが急上昇をかけて反転、今度は後方から再び〈ヘルファイア〉に襲い掛かった。


 ジークがその異常な追尾性に目を見張る間もなく、前方の〈ピースキーパー〉が更にミサイルの連続発射を行い、散らばった二つのミサイル群が前後からジークを取り囲む。


「ミサイルがUターン! 挟まれたッ!?」

「ハッハハハハ! この誘導性よ!」

 

 機体を翻してスラスターを全開、機体を反対方向に切り返し、背後から戻ってきたミサイルをもう一度回避する。さすがに二回も切り返してくることはできないらしく、背後から戻って来たミサイル群は今度こそ失速、数百メートル飛んだところで墜落した。

 後方からの脅威が消えた〈ヘルファイア〉が推力の全てを前進に振り向け、今のうちに少しでも距離を詰めるべく突進する。


対戦車ミサイルATMの威力に、対空ミサイルSAMの追尾性。中口径の多用途ミサイルってところか……だが!)


 スウォーム・ミサイルの弾頭が次々と炸裂して視界を黒煙が覆い隠すが、内部へのダメージはほとんど無かった。

 〈ヘルファイア〉の装甲モジュールは単体で最新式の戦後第6世代主力戦車MBTの正面装甲と同等以上の防御力を誇り、しかもその上から防弾鋼の外殻を被せてある――これで全身を覆う事で、〈ヘルファイア〉はほぼ完璧な全周防御を実現していた。

 

「この程度、俺を倒すには程遠い!」



 三眼が描かれた機体が黒煙の中から飛び出した瞬間――そのタイミングを狙っていたかのように〈ピースキーパー〉が胴体を旋回させ、その前方へと伸びる巨大な砲身を〈ヘルファイア〉に向けた。

 黒い絶縁スリーブに覆われた砲身の先、ジークを睨む砲口の奥でバチバチと音を立てて紫電が走る。


「本命はこっちさ! ――当たれ、この弾ァッ!」


 サムエルが操縦桿の引き金を引いた瞬間、ジュール熱に晒された大気の爆裂音が響き渡り、〈ピースキーパー〉の長砲身から極超音速の徹甲弾が投射された。


 発射された砲弾――装弾筒サボットを投棄してダーツ型の侵徹体を剥き出しにした重量20kgの劣化ウラン弾は、その身に纏った致命的な運動エネルギーを余すことなく〈ヘルファイア〉の胴体正面に叩きつけた。

 要塞に艦砲が直撃したような壮絶な破壊音と共に100トンを超える〈ヘルファイア〉の機体が大きく仰け反り、粉々に砕けた正面装甲の一部が弾け飛ぶ。


「装甲だけで何ができる、薄汚れたスクラップがよ! 〈PK〉のレールガンで、その物覚えの悪い頭に立場ってものを刻み込んでやる! ハハハハハハハ――ッ!」

「今のッ……砲弾か!?」


 ジークが崩れかけた体勢を立て直しつつ横に跳躍すると、すぐ横を二発目がぞっとするような風切り音を立てて通過、更に息つく暇なくスウォーム・ミサイルの雨が降り注ぐ。断続的な爆発が次々と地面を掘り返し、機体の周囲に無数のクレーターを作っていった。


「あの威力を連射だと!? ――まずい!」


 ジークが血相を変えて機体を滑らせ、飛んできた3発目を紙一重で回避する。

 不幸中の幸いか、度重なる実戦で鍛え上げられた〈ヘルファイア〉のOSは、機械的な冷静さと生物的な柔軟さをもってこれに対処した。熱核スラスターの暴力的な推進力を頑強なフレームが抑え込み、駆動する高出力モーターと強靭な人工筋肉が機体を縦横無尽に跳ね回らせる。


 激しい機動の中で被弾箇所に視線を遣ると、複合装甲モジュールを覆うカバーが着弾点の周辺ごとごっそり剥がれ、内部で砕けた装甲モジュールの3Dモデルが露出しているのが見えた。

 ロケットランチャーや戦車砲の乱打を受けてもビクともしない重装甲がたった一発で崩壊寸前まで損傷するなど、ジークの経験上ありえないことだった。


(並みの火砲じゃない――超高初速砲、おそらくレールガンの類!)


 サムエルの高笑いが聞こえたわけではないが、ジークはそのように攻撃の正体を類推した。四方八方から襲い来るミサイルは目晦ましを兼ねた牽制、本命はそれに紛れて飛んでくる極超音速の狙撃。

 高追尾のミサイルは避けられず、大威力の狙撃は受けられない。ミサイルを躱そうと直線的に加速すれば正確な予測射撃が飛来し、逆に砲撃の回避に意識をおいて減速すれば高追尾のミサイルに装甲を削られていく。


 ここに至ってようやくサムエルの狙いが見えたが、正面装甲の大傷はその代償としては重すぎた。〈ヘルファイア〉の装甲に絶対の信頼を置くジークにとっては実に不本意なことだが、二発目はもう受けられない。


「――我ながら情けない! しかしッ!」


 もはや被弾上等の直進は不可能と判断し、ジークはスラローム走行に切り替え、遠くの〈ピースキーパー〉の挙動に注意を払いつつ突進を続行した。


 その数秒後、再び遠方で放電とプラズマの光が迸る。ジークは恐るべき速度でこれに反応し、〈ヘルファイア〉を更に加速させてそのまま前方へ低く跳躍した。飛来した徹甲弾がジークを外し、背後の虚空へと飛び去る。


「二発目は受けない!」


 砲弾を躱した三眼の怪物が地響きを立てて着地し、そのまま胴体の被弾痕を庇いながらミサイル弾幕の中を突き進む。

 機体の至る所に着弾した成形炸薬HEAT弾の炸裂によって装甲表面に無数の細い穴が穿たれるが、装甲モジュール内のナノ多結晶スティショバイトのブロックは弾頭から飛び出す金属噴流の侵徹を強力に阻んだ。黒煙と破片を払いのけ、〈ヘルファイア〉が尚も進む。


(ミサイルは装甲で受けるしかない、砲弾さえ躱せば接近まで間は持つ!)


 ジークは既に方針を定めていた。敵の多連装ミサイルは追尾性こそ常識外れだが、威力は80mmクラスの中型対戦車ミサイルの域を出ない。これが主力戦車MBTなら脆弱な上面を狙って致命傷を与えられるだろうが、装甲の塊である〈ヘルファイア〉なら一発で撃破されることはない。


 むしろそれらに紛れて飛んでくるレールガンの一撃の方が遥かに危険だった――そのレールガンにしても、既に弾速も弾道も知れているから、〈ヘルファイア〉の加速力と反応速度なら避けることは不可能ではないはずだ。


(もう無様は晒さない――初撃で殺しきれなかったことを後悔しろ!)


 ジークの思考がブレイン・マシン・インターフェースBMIを通じて機体OSに伝わり、三眼を持つ装甲の怪物が暴風を噴いて荒野を駆け巡る。

 迫る敵弾の嵐とOSから絶えず送り込まれる情報が思考をシンプルにするのか、それとも自分ひとりのコックピットでは他人の存在を気にせずに済むからか――こと戦闘においてはジークは普段の不安定な激しさを抑え、冷静かつ獰猛なプロフェッショナルとして動くことができた。


「解体してハゲワシの餌にしてやるぞ、サンドバル!」


 更に激しい回避機動に移った三眼の怪物が、左右に激しいフェイントを織り交ぜながら砲撃を掻い潜って進む。〈ヘルファイア〉は現状一撃も入れられていないが、彼我の距離は既に2kmを切っていた。

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