第3話 ジジイこそカッコいい。そんな作品。
ここ、カクヨムのコンテストで、"オーバー30歳主人公コンテスト"というが始まったみたい。
だが、私の知るとあるマンガと比べれば、30歳では、まだまだ若い。
そのマンガの主人公。御年70歳。『銀狼』の名で知られた吸血鬼ハンター。
第一話で、紆余曲折を経て、かくまっているダンピール・・・人と吸血鬼の混血の娘に対して、
「ワシは魔法が使えるんじゃ。呪文は3つ文頭にそれぞれ『最近』をつけて、
『物忘れが激しくて』『耳が遠くなって』『目のかすみがひどくて』・・・・の3つじゃ」
などと、イケメンなジジイが、とぼけたことを言いながら、チェスにズル勝ちしてノンビリとした日常。
そんな中、警察署から、巷を騒がせ始めたバケモノが起こしたと見受けられる怪事件の協力を要請する郵便が届く。
その手紙を送った警察署長の狙いが、
『"伝説"と呼ばれるほどの男が、解決出来ないならば、次は国や軍が動くだろう。"英雄"の、つても当てにしているのだろう』
と、老兵は看過しつつ、
「ワシが愛した者たちと生きたこの街を、その"平和"を化け物が脅かしている。」
「許せるかよ。」
「ヒトが築き上げてきたものを台無しにする、化け物共を、断じて許さん。」
と、言いつつ、鋭い眼光を光らせ、
「物忘れが激しかろうが耳が遠くなろうが目が衰えようが、
50年住んだこの街に最後の奉公をしよう。
ならば、納屋で埃を被った武器を磨き上げよう。弁護士を呼んで遺書をしたためよう。
老いぼれの最後の仕事を始めよう。」
そんなセリフで、第一話が始まり、締めくくられる。
そうして、続く話では、周囲のものからは、英雄と呼ばれるも納得する行動力や、力を見せつつも、事件の首謀者には敗北。そこである因子を埋め込まれる。
更にはかつて倒したはずの吸血鬼の王が、現れ、共通の敵との共闘。
息子との諍い。
化け物によって蘇らされた盟友。
それらを前に、老いた英雄は、かつての技を取り戻しながら、それでも全盛期はどれほどのものだったのか。と、周囲が苦戦すればするほど、相対的に老兵の最盛期の姿には期待せずにはいられないエッセンスが盛り込まれている。
先に上げた第一話のセリフのようなものが、随所ででてくる。コレを読むだけでも、面白い。
上り坂を登るというのが、青春をひた走るというのが、王道なら。
この物語は、老いぼれ、衰えた老兵が、そこまで紡いだ生き様と、信念を、勝ち得てきた経験と技で乗り越えていくという話だろうか・・・。
そして、それが故に、ところどころでの"英雄"と呼ばれてきた男の台詞は響くものがある。
【銀狼ブラッドボーン】読んで価値のある作品だと思う。
ちなみに、検索すれば、最新話と、第一話は、ウェブで読める。是非。
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