第4話 始まりの赤02
≪間もなく発車いたします≫
「あっ、動き出した」
列車は走る。
夜の街を・・・
でも、この車両だったとはな・・・
「その時によって違いますが、今回行くのは、この列車です」
後ろから、声がした。
振り返ると、そこには、懐かしい人がいた。
「やあ、元気にしてた?久しぶりだね」
「おねえ・・さん?」
「あっ、覚えていてくれたんだ。ありがとう」
「忘れられないです。あの時は・・・」
「そこから先はいいよ。でも、もっと早く使ってほしかったな」
何度も使おうと思ったが、ためらっていた。
「お姉さんは、変わりませんね」
「私はね・・・君は大きくなったね」
「もう、高校生です」
「私からしたら、あの時と変わらないけどね」
あの時と変わらず、優しい笑みを向けてくれる。
「ところで、この列車はどこへ向かってるんですか?」
「今から行くのは、赤の駅」
「赤の駅?聞いたことあるような・・・」
「そうじゃなくてね。赤は始まりを表す色」
「始まり?」
「まあ。行けばわかるよ・・・あっ、もうそろそろ着くね」
≪間もなく、赤の駅に到着いたします≫
「あっ、着くね。じゃあ、楽しんでね」
「あのう・・・」
「何?」
「また、会えますか?」
お姉さんは、微笑んだ。
「もちろん!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます