第9話
妹と一緒に、カラオケボックスに着いた。
「やあ、来たよ」
「遅い。もうみんな待ってるよ」
「ごめん、ごめん」
喧嘩しているな・・・
「たく・・・、あっ、おにいちゃん、お久しぶりです」
「久しぶり、元気だった?」
「ええ、おかげさまで・・・」
妹の友達は、妹に耳打ちする。
何て言っているのかはわかるが・・・
「連れて来たの、お兄ちゃん?」
「いけなかった?」
「いけなくはないけど・・・」
やはり、場違いだったな・・・
まさか、ここで会うって事はないよな・・・
で、カラオケボックスに入る。
それはいい。
それはいいが・・・
「妹よ」
「何?お兄ちゃん」
「他の男子諸君はどこかな?」
「いないよ、お兄ちゃんだけ」
「何故俺だけだ?」
「保護者」
「俺はまだ、未成年だ」
「かたい事は言わないの」
で、カラオケ大会が始まる。
女の子は妹を含めて、5人。
妹は抜きにして、後の4人。
ふたりは面識があるので、除外。
残る2人だが・・・
あの少女の面影のある子はいない。
よかった・・・
女の子たちは、それぞれに好きな曲を歌っている。
「ちょっと、またアニソン?」
「そっちこそ、ジャニーズ系ばかりじゃない」
何唄っても自由だと、思うが・・・
「お兄ちゃんも、歌ってよ」
「そうそう、聴いたい」
女の子たちに、そそのかされる。
冷やかしなのはわかっているが・・・
「僕は、聴く専門だから・・・」
「だめ、歌って!お兄ちゃん」
仕方ない、妹の顔を立てよう。
「一曲だけな」
「そうこなくっちや」
俺は、自分の好きな曲を入力した。
この曲を唄えば、もう誘われる事はないだろう。
しかし、この曲が運命を変える事になった。
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