第8話
「趣味ね・・・」
少女はそう言っていた。
でも、俺にはこれと言った趣味がない。
ローテーションで、ループもしていない。
オタク系と言われている、アニメや鉄道やアイドル、
アウトドア系のスポーツや、釣りや登山も感心がなく、
インドア系の映画観賞や、絵画など、全く興味がない。
しかし、話を合わせるために、少しの情報は得ている。
城は好きではあるが、コアではない。
ただラジオや雑誌にハガキを出している、いわゆるハガキ職人だが、
採用されたことは、殆どないし、公開録音には足を運ばない。
ネットなんて、悪口の宝庫。
やりすぎないのが吉。
スマホは緊急時以外は、使わない。
ギャンブルもしない。
タバコもお酒もしない。
まあ、未成年だから、当たり前だが・・・
老後はつまんないと、我ながら思う。
せめて、あの少女といつ出会うのかさえわかれば・・・
今夜訊いてみるか・・・
「お兄ちゃん、いい?」
「どうした?」
「今日、カラオケに行くんだけど・・・」
「行っといで」
「そうじゃなくて」
怒ってる。
「男子のメンバーが足りなくて・・・」
「それで?」
「お兄ちゃん、一緒に来て」
「クラスの友達に頼め」
「私、女子高」
「彼氏に頼め」
「いないよ」
付き合わされる事になった。
まあ、かわいい(ことにしておく)妹の頼みだ。
お兄ちゃんも、言う事聞いてやるか・・・
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