第2話
旅に出たはいいが、あいにくの悪天候。
発車したのはいいが、天気には勝てない。
交通網は、完全ストップ。
新幹線とて例外ではなく・・・
仕方なく、車内で一夜を過ごすこととなる。
しかも、俺は寝つきが悪い・・・
おまけに、椅子では眠れない・・・
ベットが恋しい。
「なぜ、夜行列車を廃止にした?うらむぞJR]
心の中で悪態をつく。
「学生さんですか?」
隣のおばあさんに、声を掛けられる。
苦手だが、無視するわけにはいかない。
「ええ、高校3年生です」
「じゃあ、受験生?」
「ええ、進学予定です」
「勉強大変ね」
「ええ、なので大宰府まで・・・」
知らない人との会話は、旅の醍醐味かもしれない。
深夜0時になろうとした時、車内の殆どの方は、眠りについたようだ。
「一応、留守電入れておこうか・・・」
そう思った俺は、デッキに出てスマホから、家の固定電話にこの事の入れておいた。
そして、顔を洗おうと洗面所へ行った。
「やあ、旅に出たね。感心感心」
「うわっ、何で君がそこに?」
「鏡は繋がってるんだよ。場所なんて関係ない」
そうかもしれないけど・・・
「しかし、君は記憶力がいいね。未来の君が言ってた通りだよ」
「こんな悪天候に、車内に閉じ込めらたら、忘れられんわ」
「ごもっとも・・・」
俺は、本当にこの女と結婚するのか?
「しかし、大宰府に神頼みなんて、よく出まかせいえるね」
「それも、訊いたのか?」
「うん。君はもう、進路は決まってるでしょ?」
「ああ」
そう決まっている・・・
「じゃあ、そろそろ行くね。よい旅を」
悪戯っぽく手を振る。
たく・・・
「さてと、席に戻りますか・・・」
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