第4話

 放課後である。八倉くんと部活動巡り。


 いやあ、わくわくだ。


 ……あ! LINE来てます。めっずらしいなぁ、ちゃんと確認しないと駄目ですよねえ、確認確認。


 ……ねえこれ確認しないとダメ???


 結音『帰宅部が向いてるんじゃないかな』


 ────やかましいわ!!!!!!!!!!


 ちくしょう、先手をとられた。ただ帰宅部がオススメだよって言われているだけに見えるが、結音からのLINEはだ。


 これは部活に入るなと言われているようなものだ。善意など欠片もあるもんか。


 部活に入りたい。なんでもいいが、部活に入りたい。


 だって俺の交友関係がほぼ二人しかいない(結音とは学校ではほとんど話さないため除外)んだぞ!!


 もっと友達が欲しいんだ俺は!!


 それには部活動が最適かと思っていた。結音に潰されてしまったからには仕方がない事だが、諦めたくない。


 友達づくりのためにバイトを……いや。まだお金がある以上、勉強に割く時間を削りたくない。資格を高校生のうちに何か取っておきたいしそんな事はしている余裕はない。


 というかバイトで友人が出来る? 俺には出来ないと思うよ。じゃあだめだ。


「………かくなる上は」


『これは純粋な疑問なんだけど、結音さんは部活動何にするのか決めてるの?』


 送信。諦めるにはまだ早い。名言もされてないのだ、時間稼ぎで何か案が出てくるまで粘って────。


「才華、もう行くのか?」


 あ、そうだ。八倉くんに声を掛けるのを忘れていた。あわててスマホをしまう。


「部活動いっぱいあるしね」


「いいのか?」


 俺が教室を出ると、八倉くんは何か言いたげに後ろを見ろと促してきた。


 ……新井さんが居た。俺は逃げるぞッ!!! ハッハーー!! ついてこい八倉ァ!!


「あら────」


 がしっ、ぐいっ。


「うぉっ!?」


「────どこ行くのかしら?」


 新井さんに腕を取られて止められた。存外力強い。


「今日から部活動見学解禁でしょ? 見に行こうかなー……って」


「あら、そうかしら。てっきり私から逃げるつもりで走ったのかもと思ったのだけれど、私の勘違いだったのかしら。じゃあ……私も、ついていっていいかしら?」


 返答を迷い、八倉くんを見る。にやにやしながらお前が決めな、みたいな感じで見てきている。


 困った。LINEを見る。


 結音『もう一度言わないとわからないのかな?』


 結音は対話拒否された上に、帰宅部だぞと圧を掛けてきている。もうだめですねこれ。


 けどまあ……別に。見学くらいは構わないだろう。


 結音からは新井さんに関してのコメントは無い。命令されてないってことは新井さんを連れていくかは完全に自由。


 ……だけど連れてったら部活動見学、拗れそうなんだよなあ……。


「…………まあ、行こっか。凜音さんも」


 二人に話しかける。


 ……物事諦めが肝心ということで。


「ありがとう」


「よし、そうと決まればあの部活行くぞー」


「……あの部活?」


 八倉くんは意気揚々と先頭に出た。


 どうやら彼のなかでは既にどの部活が見たいか決まっていたらしい。


 この一週間の間に新入生歓迎会があったのだが、その際に部活動パフォーマンスも行われている。


 部活については、そのパフォーマンス以外には学校のパンフレットに書かれていた部活動情報ぐらいしか俺たちにはない。


 まあ、大体その情報だけで事足りるからなんだけど。


 既に目星がついているって、八倉くんは本気で部活動を選んでいるんだろうな。


 凄いなー……俺なんて友達欲しいなーくらいしか考えてないのに。


「それはどこかしら?」


 新井さんは何を考えているのかはわからない。いつも通りの仏頂面で八倉くんに聞いている。


 聞かれた八倉くんはよくぞ聞いてくれた、なんて言いそうな顔で口を開いた。


「よくぞ聞いてくれた!」


 あ、マジで言った。


「実はな、これから行こうって部活にはすっげー美人な先輩が──」


「ほんと八倉くんにちゃんとした理由を期待した俺がバカだったよ」

「呆れたわ。人の顔で選ぶなんて」


「……おいおい。俺をなんだと思ってるんだ」


「人を性の消費対象としか思っていないけだもの、性獣。それとも──」


「才華、この女の口を閉じさせてくれ」


「ははは……」


 真面目な顔で八倉くんはそう言った。


 まあ新井さん連れてくってなった時点でこうなるのはわかってた。八倉くんもそれは同じだったんだろう、諦めは早かった。


「だいたいそれだけで部活選ぶ訳がねぇだろ? 所属している先輩や活動日数とか内容をちゃんと調べて、良さげなところに、入部する! 当たり前のことをしているだけだぞ、俺はね!」


「……そうね、失礼したわ」


「分かればいいんだ。分かれば」


 ………………………なるほど。


「で、本音は?」


「美人の先輩と付き合いたい」


「やっぱりそうなのね」


「そうは言うが当たり前の感情だろ!? 凜音もイケメンとお近づきになりたいとかあるだろ!?」


「………………そうね」


 新井さんが蔑んだ目で八倉くんを見ている。まあそりゃ新井さんの前でやるノリではない。悪乗りした俺含め。


「くっ……」


 歯噛みする八倉くん。このままでは不毛な言い合い(?)が続いてしまいそうだ。悪ふざけの責任を負おう、俺は二人の間に入る。


「ところで八倉くん、どの部活行きたかったの?」


「科学部だよ」


 ◆◇◆


 ────科学部は放課後の科学室を活動場所にする部活だ。科学室は校舎の四階、一年の教室は三階にあるのでその上の階にある。


「いらっひゃ……、こほん。いらっしゃい、新入生?」


 あ、噛んだ。


 科学室に入ると同時に待ち構えていたかのように椅子上で反転し振り返った白衣の女性は、顔を赤らめながらぷるぷると震えていた。


「はい」


 俺が返事すると、少しほっとしたように白衣の女性が緊張を緩めた。


「ようこそ、科学部へ。科学部は主に文化祭とかで発表したり、研究を先生と一緒にやる部活だよ。活動日は火曜日と木曜日なんだけど……まあ、部員のほとんどは幽霊部員だから私以外は居ないんだけどね。そこのポスターや、そこの器具類はうちの部活のものだから、自由に見てってくれ」


 新井さんがポスターを一瞥し、何やら言いそうな。新井さん???


「へぇ、随分と貧────っ」


「ちょーっと、悪い事言う口は閉じてようね……?」


 新井さんが何か余計なことを言う気がしたので手で彼女の口を押さえた。


 俺が顔を寄せて耳元で先輩に聞こえないように小さい声で伝えると、新井さんはこくこくと頷き返してくれる。よし。


 八倉くんはと言うと────。


「これ、何て言うんすか」


「メスシリンダーね」


「じゃあこれは?」


「メスシリンダーね」


「じゃあ」


「メスシリンダーよ」


 何してんのあの人。


「八倉くん?」


「いやあこれ全部メスシリンダーなんだぜ!?」


「見れば分かるよ大小違うだけで全部そうだよ」


 八倉くんは楽しそうにしていた。


「で、これは何っすか??」


 そう言って八倉くんが指差したのは規則正しくケースに入れられた金属片。


 科学部の先輩はそれを見た。


「ああ、それはね。炎色反応を見て欲しくて並べておいたの。金属毎に燃える色が違うんだ」


「へぇー……」


「花火とかに活用されてるんだけど……これ、花火の構造真似して作ってみたレプリカ。容器を作って並べただけだから、まあ火薬はないから燃やしても変な色の炎が上がるだけだけどね」


 残念そうに先輩は言った。気がつけば八倉くんは俺の側まで戻ってきていて、キラキラと目を輝かせていた。


「なあ、こういうの、いいよな……」


「たしかに」


 並ぶ実験器具や、部活の成果を纏めて発表したときのポスターが立ち並んでいるのは見てて楽しい。


「そう思ってくれるとありがたいな」


 普段先輩一人で活動しているからか学生が部活を見に来ることが珍しいのだろう、先輩は俺達三人をわくわくと、うずうずしながら見詰めていた。


 ただ、俺はがある以上、この部活に所属すると死にます。申し訳ないがこの景色を眺めるだけしかできない。


「っていうか、新井さん? 大丈夫?」


「────ふふ……ふふふ……」


 ぼやーっとしていた。


「おい、才華。何かしたのか?」


「なにもしてないよ? なんでそうなるのさ」


「凜音がこうなるの、才華絡みじゃなきゃほぼあり得ねえからな」


「えええ……とにかく、新井さん? 新井さん、凜音さーん?」


「────っ、……あら、ここは……式場ではないのかしら」


 ……まだ変だ。


 式場って何だろうと思いつつも新井さんの肩を揺する。反転させる。押そうとしても新井さんが動かなかったので反動で俺がつんのめる。


 つい首筋、黒紫の髪へ顔を埋める形になる。


 ヤバい、キレられる────っ。


「……へ、変なこと言ってないで行くよ凜音さん」


「ひゃい……」


「ありがとうございました、また来ます!」


 八倉くんに続いて俺達二人も礼を言った。俺は慌ててぼんやりしている新井さんの背中を強く押しながら科学室を出た。


 新井さんから思っていたような反応は帰ってこなかったので拍子抜けだ。もっとキレられるかと。


「さ、才華くんっ!? 何を……」


「髪の毛、乱れてると思ったから……迷惑だったかな」


「いえ……」


 頭を突っ込んだせいで乱れた新井さんの髪を直そうとして触れる寸前に猫のような俊敏な動きで手を避けられてしまった。


 まあ、触られたくないよね。俺の考えが甘かった。


「また来てね~待ってるよ~」


 先輩はそうやってぽやぽやと手を振って俺達を送り出してくれた。


 …………さて。どうしよう。


「次どこ行こうかな。八倉くんはもう行きたいところはないの?」


「俺は無いね」


 案外やる気があるように見えたけれど、もう行きたいところが無いとは。


 俺は正直なところ何を見てもしょうがない。なので部活動が変に名残惜しくなる前に終わりにしたいけど、それではまだ時間が早すぎるような気がする。


 折角八倉くんと新井さんと一緒に居るのに。というか家帰ってもやることないし。


 そんなことを考えて新井さんを見ると、あれ? 居ない?


「────何してるのかしら。何処も行きたいところがないのなら、ついてきなさい。私も行きたいところがあるの」


 新井さんはかなり離れた位置に立っていた。遠いと話しづらいので俺達は近付こうとすると、その距離だけ離れる新井さん。


 よく見れば顔が赤い。色白なので分かりやすいが、そうなるとさっきまでの様子のおかしさはもしかして、熱があるんじゃないか。心配だ。


「新井さん大丈夫? さっきからぼーっとしてるけど熱でもあるの?」


「熱なら! ないわ! だからちょっと才華くんは離れててくれるかしらっ!?」


「なんで!?」


「なんでもよ! 次は写真部へ行くわ、ついてきなさい!」


 様子が変だ。新井さんはどういう状況なのかあまりに不可解で八倉くんを見たが、彼は笑いを噛み殺していた。この人も大概よくわからない。



 新井さんはガンガン先に行ってしまうので考え込む時間はない。


 校舎の出入り口を経由して、本校舎とは別の部活用の部屋が沢山ある────通称、部室棟と呼ばれてる建物に向かった。


 写真部はそこで活動しているらしい。ものの数分で到着した。


「いらっしゃい、新入生だよね」


「はい」


 中には五人ほどの部員が居る。


 部長さんと副部長さんだろうか、部員の内二人だけが俺達向かって挨拶をしてきた。他の部員は作業しているのか会釈だけしてくる。


「こんにちは。ここは写真部、コンテストや文化祭とかで発表してるよ」


「活動日は特に決まってないけど、コンテストや文化祭とかで発表があるからその時には集まって今まで撮ってきた写真を選ぶんだ。そこの壁際に飾ってあるのは去年のコンテストに送った写真の一部だよ」


「……結構いいですね、これ」


 写真というものは、よく分からない。そう考えていたけれど、一つ目を惹かれる写真を見て俺は思わず呟いていた。


 それは紫陽花と青蛙の写真だ。


 ……単純に俺がカエル好きなだけかもしれないが、それは俺の目を惹いた。


 そんな俺の反応を見て、女子の部長さんらしき人が口を開こうとした。けれどもそれよりも先に発言した人がいた。


 新井さんだ。


「そうね、確かにこの写真は良いわ。雨、紫陽花と蛙どれも主張し過ぎず調和しているわね」


「……おお、わかる!? そうなんだよ、偶然撮れたんだけどね、スッゴい良いでしょコレ!!」


「そうですね……特に蛙が良いです」


「わああ……!!」


 部長さんが感激したように新井さんの肩を持つ。恥ずかしそうにその手を払った新井さんはおずおずと自分のスクールバックから黒いものを取り出した。


 カメラだ。素人目から見ても高そうなカメラであり、部長さんもそう思ったのか目を丸くして新井さんのカメラを見た。


「おおっ、これ……高いんじゃない?」


「ですね、結構値が張りましたけど……でも綺麗に撮れるので────」


「あー、光レベルが────」


 ────そっから二人の会話はおおよそ俺には理解できないものだった。


 俺には専門知識がないから仕方ないけれど、その会話をぼやーっと聞いていた。


 新井さんは好きなことになるとひたすら語る癖があるようで新入生の下校時間制限まで、部員さんたちと語り合っていた。


 新井さんが楽しそうで何よりだ。


 ちなみにその間八倉くんは写真をじーっと見ていた。


 それからある程度の時間が経過したら俺達二人を置いて先に帰ったけれど、まあ下校時刻までいることはないしね。


 そんな感じで、部活見学は終わった。




 結音『一緒に帰れる?』


『お姉さんと?』


 結音『違う。実は女子ソフトボール部に捕まっちゃって』


『はぁ? お姉さんに言えよ』


 結音『え、嫌だけど』


「何でだよ……」


「才華くん?」


 現在時刻は17:20。一年生の完全下校時刻まであと10分。実は一年生の下校時刻は、二年生と三年生の下校時刻とは一時間以上違うのだ。


 きっと結音は運動神経が良いからって過剰に呼び止められているのだろう。いい気味だ。


 部室棟からは校庭が丸見えで、件のソフトボール部がよく見える。


 …………。


「ねえ凜音さん? 結音さんは今何してるの?」


「え? 結音は部活に興味なさそうだからもう帰ってるんじゃないかしら」


「……ちょっと校庭見に行こうか、あれ、結音さんだろ?」


「才華くん……?」


 俺は走り出した。校庭、ソフトボール部は結音とその友人を数人で囲んで逃がさないようにしているように見えた。


 囲んでる人たちはどんな人か分からないけど、強行突破すればいいのに。結音ならどうにかしてすり抜けることも出来るだろうに。


「才華くん、結音がいたの?」


 新井さんは若干声を荒らげて俺に聞く。頷きを返す。


「いた。あれ、そうでしょ? おーい! 結音さん帰るよ!!」


 結音が人の合間から手を振る姿が見える。


 そして結音は「呼ばれちゃったんで帰りますねー」とでも言いながらだろうか? 人垣に笑いかけると人垣が割れて道ができる。


 なにこれ壮観。


「おい! 話は終わってないぞ新入生!」


 結音と向かい合っていた女が叫ぶ。露骨に結音の隣の女子が身を縮こまらせた。あの女子見たことがある、クラスに居た気がする。


 結音はその子の背中を押して俺たちの方へ行くように促す。


「もう下校時刻過ぎちゃいそうなんで返してくれないですかね?」


「入部志望者ならまだ練習に加わってていいと先生から許可は貰っている」


「いや、入部志望者ならですよね? 私たち帰りたいんですけど」


「そうか、だがそこの女子は入部志望者だろう? なあ!」


 ……なにこれ。何が起きてるの?


「ねぇ、あの人何? なんでこんな呼び止めようとしてるの?」


 俺が怯えている女子に聞けば、おずおずと答えてくれた。


「……わからないの、確かに私は最初に入部希望って言ったけど」


「結音、結構運動出来ちゃうから逃がさないように目を付けられたのかしら。それにしてはやり方がとても気に入らないわ」


 うーん。よくわからないね。


 よくわからないけど道は空いているんだ。俺は結音まで近付く。すると嫌そうな顔をしていちゃもんをつけてくる女は俺を睨んだ。


 大柄な女子だったので、迫力があって怖い。


「結音さん、帰るよ!」


「うん、才君来てくれてありがとねー」


「おい、帰すとでも──」


 結音の手が握られていた。ソフトボールやってるんだろうし、何もやってない俺よりも腕力はあるだろうけど。


「いや、あの離してあげてくださいよ、先輩」


 怖かったけど、結音を握る手をべりべりと剥がそうとする。ほら、如何にも異性に耐性が無さそうだったので、ので、ので?

 剥がせないんだが???


「ふん」


「離してあげてくれません? 結音さん嫌がってますし」


「────才華くん!!」


 新井さんの声。驚いて振り返ると俺たちの方を睨み付けてボールを大きく振りかぶっている新井さんをあわあわしながら見ている女子。


 フォームは綺麗だし、眼力的になんかすごく速い球を投げそうな感じがする。


 まさか俺たちに向かって投げるのか? そう思った。いや避けられないんですけど「えいっ」──って投げたぁ!?


 ……そして、投げられたボールは新井さんの真上へと飛んだ。真上に。


 投げた本人の真上にだ。


「お姉ちゃんのノーコン……」


 結音が我が身のことのように恥ずかしがり唇を噛む。そんな結音を思いきり引っ張ると抵抗無く俺側に倒れこむ。


 完全に速いボールを投げてくるものだと思い込んでいたからか、女が結音を離していたのだ。そりゃあ抵抗もない。


「わあっ!? びびびびっくりしたぁぁ……」


 まあ、結音も動揺していたからか引っ張られたことに反応が遅れて驚いていたけど、なんとか受け止めたのでいいですよね?


「才君ありがと」


「結音!! 荷物回収したわ! 逃げるわよ!!」


「お姉ちゃんありがと!! 愛してるー!」


 新井さんが荷物を持って走り出していた。そのあとを追いかけて俺は結音の手を引いて校門を走り抜けた。



 ────因みにその帰り道、結音が原因と思しき何かを思い出したようで、語ったのだが。


「ごめんね美緒ちゃん、実はあの部長さんの好きな人を振ってたみたいで、その逆恨みでこんなことに……ホントごめんっ!」


「ええええええ……」


 そんな話だったらしい。ほんと結音と関わったばかりに入りたかった部活に入りづらくなった美緒さんとやらには同情するよ。


 …………まあ、それとは別によかったじゃんとも思う。だって──


「あんな人のいる部活だってわかってよかったじゃない? いずれは変なことになったでしょうね」


「それは……そうだけど」


 新井さんの言葉に、釈然としない様子で美緒さんは呟いていた。

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