第15話

「亮平さん、まさか!」

「そうです、今回の美夕と舞花の出るドラマにはキスシーンがあります、それも二人とも」

「それで、弥彦を・・・って、弥彦を推薦する意味がわからないのですが」

弥彦の母は、美夕と舞花の父の推薦のする理由がまだ、わからないのに弥彦をドラマにだすつもりはなかった。

そして、なぜ美夕と舞花のキスシーンに弥彦を投入するのかを弥彦の母は不思議で仕方がない表情をしていた。

「もちろん、本当にキスするわけではありません、フリをしてくれるだけで大丈夫です」

「ですが、なぜ弥彦が・・・、フリなら誰でも大丈夫なのでは?」

「それが、美夕と舞花が男子役の人を拒絶してしまい、それからまったくドラマの撮影に行きたがらないんです」

「それでですか」

「はい、幼い頃から一緒に過ごしていた弥彦君だけが頼りなんです!」

「・・・」

美夕と舞花の父は、幼い頃から美夕と舞花と弥彦は共に色んな所に行ったり共に時間を過ごした仲だから弥彦を推薦したと頭を下げて言うと、弥彦と弥彦の母は黙ってしまった。

「やっくんお願い、やっくんとがいいの」

「私も、やっひーとがいい」

「うーん」

美夕と舞花は、弥彦を凝視しながら言うと、弥彦は深く考えていた。

弥彦は、たしかに美夕と舞花は昔から知ってる仲だからいいかと思ったけれど、撮影となると視聴者がいるし、しかも美夕と舞花と

弥彦は高校生なので、さすがに付き合ってるとか噂されると「面倒だなー」と思った。

「お願いだ、弥彦君!」

「わかりました、ただし条件があります」

「なにかね?」

「付き合ってるとか噂になると美夕と舞花も嫌だと思うので、その辺の考慮ができるなら出演します」

「わかった、できるだけやってみるよ」

「ありがとうございます」

「ありがとうやっくん!」

「ありがとうやっひー!」

弥彦は、美夕と舞花の気持ちを考えて付き合ってるとか噂されることのための考慮をしてほしいとお願いすると、美夕と舞花の父はできるだけやってみてくれるみたいなので、

美夕と舞花の父と弥彦は契約を交わして握手をした。

「それじゃあ、説明は夕飯後にするから」

「わかりましーた」

弥彦は、ドラマについての説明をする準備と日程を話しあうために夕飯を食べ始めた。

そして、弥彦の出演の決定に美夕と舞花は嬉しそうにしていた。

しかし、弥彦はとてつもない鈍感なので美夕と舞花がなぜ嬉しそうにしているのかをまったく理解していなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る