第10話

「どうしよう、どうしよう」

弥彦は、必死に話題を考えながら部屋をぐるぐると回っていた。

すると、弥彦の部屋の扉がコンコンとノックされた。

「はい」

弥彦が、扉を開けると美夕と舞花が優奈を後に連れて立っていた。

それを見た弥彦は「やば!」と、なんで声も聞かずに開けてしまったんだと後悔しながら思った。

「入るよ、やっくん!」

「まて、まて、早まるな」

「お兄ちゃん・・・」

弥彦は、美夕が入ると言って、部屋に入ろうとすると、なぜか焦りながら「まて」と、美夕の肩を掴んだ。

それを見た妹の優奈は、何か見られたらまずいものでもあるのかと思った。

「どうしたの?、やっひー」

「まあまあ、いいか!、男には秘密の一つや二つはあるから男の部屋に勝手に入ろうとするとダメなんだ!」

「そんな理屈は知りません!」

舞花が弥彦に焦っている表情をどうしたのか聞くと、弥彦は部屋の前に立って突然語りだすと、美夕が「そんな理屈は知りません!」と言って、逃げようとする弥彦の服を掴んだ。

「やっくん!」

「は、はい!」

「そこに正座!」

「なんで!」

「いいから!」

「は・・・、はい・・・」

弥彦は、美夕に正座しろと言われて最初は抵抗したが、美夕と舞花と妹の優奈の表情を見て大人しく正座をした。

そして、弥彦は「最悪だー」とあたりをキョロキョロしながら正座して三人にガン見されながら思った。

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