「これから殺されることが決まってる気持ちを教えてくれないか？僕は殺すばっかりで殺されるっていう感覚が分からないんだ。生きる可能性を何とかしてでも見つけようと思うのかな？それとも、これまでの人生を振り返るのかな？自分がいなくなった後に残す大切な人の未来を心配するのかな？何でも良いんだ。教えてくれないか？

教えてくれるのかい？教えたら解放してくれるかって？それは無理な相談だよ。君を殺すのが俺の仕事だから。君だって仕事は全うするために全力で取り組んでただろう？仕事に大小も何も無いんだよ。ごめんね。結局、教えてくれなかったね。仕方ないか。

そろそろ死のうか。これまで殺した人たちとは約束してた事なんだけど、もしも君があの世がどんな場所なのかを僕に伝える事が出来るなら、どんな手段でも良いから伝えに来てくれよ。待ってるから。約束だよ。じゃあ、おやすみ」