第4話

「どうやって人を殺しているのかって?それは本当は企業秘密なんだけどな。そもそも、そんな事を知ってどうするつもりなんだい?人を殺しちゃいけないって事は、こんっなに小さな子供でも知ってる事だよ。それを聞いたところで君は絶対に実行できないよ。僕には分かるんだ。そんな目で見るなよ。分かったよ。正直、殺しの手段を聞いてきたのは君が初めてだからね。特別に教えてあげるよ。答えは簡単だよ。薬を使って殺してるだけ。もちろん、殺人と思われないような薬品を使ってね。薬品の種類までは教えられないよ。誰が聞いているか分からないからね。僕だって捕まるのは嫌なんだ。毎日、必ず人を一人殺さないと僕が死んでしまうから。僕はまだ死にたくない。やりたい事が何なのかはまだ見つかってないけど。見つかるって信じてるから。それが見つかるまでは絶対に死にたくない。だから、人を殺し続けるしかないんだ。それに、こうやって色んな人と話していると何か見つかりそうな気がするんだ。


おっと、また僕の悪い癖が出ちゃったよ。でも今日は君のせいだからね。僕は一思いにやってあげようと思ったのに、君が質問なんかしてくるから。死ぬっていう恐怖を感じるのは怖かっただろう。でも大丈夫。その恐怖心はあと数秒で消えるから。あとこれは皆んなに必ず伝えているんだけど、僕はあの世って場所が本当に気になって仕方ないんだ。だから、必ずあの世がどんな所なのかを僕に伝えに来てね。約束だよ。じゃあ、おやすみ」

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