第2話

「僕は人殺しだ。

ただ一つ誤解して欲しくないのは、好きで人を殺している訳ではない。これは少し表現が違ったな。正しくは『最近の人殺し』かな。最初の5件くらいは自分が殺したいと思った人間を殺しているから。じゃあ、今はなぜ人を殺し続けているのかって?まぁ、普通の質問だよね。答えは一つだよ。殺人をしないと自分が死ぬ運命を背負わされたから。誰だって自分が死ぬのは嫌だろう?普通に生きている人も政治家も貧乏人も人殺しも、誰だって同じだ。生き物のDNA自体には『死』を恐れるようインプットされているんだから。おっと無駄話が過ぎたかな。死ぬだけでも怖いのに、殺されるっていう恐怖心を感じさせるのは僕の美学には反するんだ。殺されるなら、躊躇なく痛みなく殺されたいと思うもんね。じゃあ、そろそろお別れの時間だ。あの世って場所がどんなものか知りたいから、もしも伝えられる手段を見つけたらぜひ教えに来てよ。待ってるから。じゃあ、おやすみ。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る