忘れてしまいたい

泉花凜 IZUMI KARIN

忘れてしまいたい

 優しさに手を引かれて

 鴉の舌先にふれて

 水たまりは鏡の籠城

 真夜中に歩いた

 夢の途中の月光は

 クラクション鳴らされた

 車の酔いつぶれ

 下で拝んだ手のひらを

 唇で温めた昨日


 生きていれば 良い事あるさと

 保障しかねるほどの

 愛しさを

 どこに捨てて

 忘れましょうか

 愛し合えば

 自由になるさと

 教えられた

 間違いじゃない

 でも支えられない

 愛は病


 生きていけば 良い事あるさと

 保障もできないほど

 愛という病に

 かかった罠を

 もう見過ごせない

 白いカタマリとなる

 この遠い思いを

 無駄ではないと

 割り切れるのも

 まだ少し先の

 未来のようで

 愛は病


 痛みと後悔を

 引き金に

 弾け飛ぶ

 金平糖の

 苦々しさと

 同じ毒を

 今浴びてます



愛しつづけて忘れてしまいたい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

忘れてしまいたい 泉花凜 IZUMI KARIN @hana-hana5

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ