第8話 ポカラにて

僕とあや、そして、もちくんの旅はまだまだ続いていた。

もちくんに「琥珀のいいものが、手に入るのだけど付き合ってくれないか? 」と誘われる。

琥珀に興味のなかった僕だが、もちくんについていった。

ポカラの観光客ならわからないような山の中、もちくんのガールフレンドかな?

ひとりのヒッピーだと思うが、とある女性が暮らしていた。

民族的なとても可愛らしく、美しい家。

そこの主人のもちくんのガールフレンド、と僕と、もちくん その3人で琥珀を、引き取りに行った。

その時は琥珀のことを知らなかったが、その琥珀は遥か悠久の時を過ごし、もちくんともちくんのガールフレンドの手に行った。

もちくんは、感動し興奮していた。喜んでいた。

また、或る日、僕はあやとチベタンやネパーリーが営むバザーのような場所に赴いた。

オーム マニ ペメフム BGMはチベットのお経?マントラ?それにとても心地よい音楽を乗せた音楽。そんなバザーで僕はチベットのコートを(かなりボロだったが)父にプレゼントしようと思い、買った。

それと、チベタンの売るトルコ石。

あやは、ネパール特産の操り人形。

そして僕に、ベビークリシュナ 神様のブロンズ像を、「買ってあげようか」と言ってきた。

そのブロンズ像、目がロンドンとパリ、いわゆるロンパリ 斜視 だったので気持ち悪くなり、断った。

買い物もすませ、僕とあやは軽いトレッキングにでた。

色とりどりにはためくチベットの布、ネパールの原風景...途中ヒンドゥ教の神、ハヌマーンの寺院に寄る、片膝を地面につけて座っている、紅く化粧された石像。

何も思わず、手を合わせて写真を撮る。


あやの笑顔が好きだった。

屈託のない純真無垢な笑顔、ちょっと変顔。

可愛くて、可愛くてたまらなかった。


あやは「サランコットに行こう」

と誘ってきた。

エベレストのベースキャンプに近い村だ。

僕はもちくんにさよならを告げ、あやと二人サランコットに向かった。

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