第7話 千との思い出
千とは、油絵科の専門で出逢った。
はじめての印象は今でもよく覚えている。
白いコムデギャルソンのワンピース
とても美しく、可愛かった。
1年くらい友達として付き合い、自然と恋仲になった。友達だった頃の千は、とにかく洋服がよく似合っていた。
白いTシャツにブルージーンズに白いコンバース。
キャミソールにジーンズ。
付き合ってからは、よく代官山や南青山
ミルクフェッドやコムデギャルソン
新宿のデパートの中のズッカでカラフルなニットをプレゼントしたっけな。
4°Cの指輪、プラチナのものをプレゼントしようと思ってたんだけど、途中で金をケチって、新宿のデパートの中の宝石店でpt1000の彼女の指のサイズにぴったりの指輪を送った。
僕は、ハーレーダビッドソンを親友の影響で買った。XLH883 99年式のものだ。
それまでは、後輩の作った。TWチョッパーやSR、はたまた親友ののっていたSRXだったけな?うる覚えだけれど、それらに乗っていた。
XLH883は、新車で購入した。
納車されて1年くらい、新宿曙町にある専門学校に883(パパサン)で通っていた。
時に千を乗せて、世田谷から霞ヶ浦まで、千の実家は霞ヶ浦のほとり牛渡地区だった。
また、デートの時は、代官山までと行った具合に方々行った。
そして、違う時は常磐線 我孫子駅で待ち合わせをして、千の愛車 Golfの旧車に乗って霞ヶ浦の実家まで帰った。BGMはUA 、 途中おきまりのレンタルDVDショップによって、グランブールやブルドック、ブレイドなんかを借りて、新宿のイラン人から買った、ハシシを二人で吸ったり。マリブのカクテルを飲んだりしながら朝まで過ごした。
千は俺の好みのフランス映画なんかを借りて観ていると途中でいつも眠ってしまっていた。笑える思い出だ。
付き合って2年目くらいにハーレーの専門誌
HOTBIKE JAPAN という雑誌が長野県の志賀高原は横手山でミーティング(バイク乗り達が集まる会)LOVE&PEACE&RIDEのボランティアスタッフを誌面で募集していた。
僕は千に相談せずに、編集部に電話をして、百瀬さんという女性編集部員が電話に出てくれた。
「あの、今度のLOVE&PEACE&RIDEのボランティアを二人でしたいのですが?」と尋ねてみた。二つ返事で「はい、喜んで」と快諾
その年と次の年のミーティングに続けて参加した。
ミーティングでは悟郎さんの作った。goro’sのイーグルが1300人くらいでやるじゃんけん大会の景品になっていた。それを、同じボランティアスタッフの友人(すげーいい奴)が勝ち取って、とてもとてもとても、喜んでいた。
ティピーを組んだり。
朝日を見たり、いつも千と一緒だった。
LOVE&PEACE&RIDEに向かうため下道をタンデムして霞ヶ浦から横手山まで向かった。
あいにくの雨。
僕は疲労でフラフラになり、朝方 ファミレスの無人駐車場で千を抱いて。小休止した。
LOVE&PEACE&RIDEでは、淳之亮さんというショベルのローライダーに乗る。ゴールデンレトリバーともう一頭でかい熊みたいな犬(アフガンハウンドだったと思う、犬種にくわしくないので)連れた、オールドヒッピー 20歳年上の人と友達になった。
油絵や銅版画やイラストなどを学んでいると告げると、池田編集長に紹介してくれた。
それから2年くらい、FROM HOTBIKERS
というページのイラストを担当させていただいた。
千が才能を貸してくれていたんだと思う。
LOVE&PEACE&RIDEのお疲れ様会を南伊豆のそば、サイクルヤというティピーの建った。キャンプ場でするという、サイクルヤは同じくLOVE&PEACE&RIDEのボランティアスタッフの小山さんという、年上のかたが、営む、バイク乗りたちの溜まり場だ。
千とタンデムして天城越えもしたし、ループ橋も超えたし、果ては屋久島 屋久杉 縄文杉をみにいったりもしたんだ。
ただ、若かった僕は千を6回裏切った。
6回浮気したのだ。
ただ、6回目は浮気ではなく、本気になってしまったが。
千とは、僕の母親と3人で千葉の富津まで行った。
そしてマザー牧場に行って羊やヤギと戯れたり。どこかの牧場宿に泊まったりもした。
彩っぺぱん、チーズコッペパンと呼びあった。
僕は星亀を雌、雄の順に飼った。
チーズが雌で、コマが雄だ、仲良く僕の実家で交尾してた。
チーズはよく卵を産んだ。
それを孵化させようと千は努力していた。
そんなに、僕に尽くしてくれている、千のことをかえりみたりもせずに、僕は千を罪悪感のかけらもなしに、裏切っていた。僕は年に2〜3回 、バンドをやっているあっちゃんが、下北のライブハウスでライブがあるので、それを観に行き。そのライブ後、安宿であっちゃんを抱いた。そしてまた、ある時にはあっちゃんに会いたくなり、あっちゃんの地元、神戸まで出向き一緒に、京都の鴨川や嵐山まで旅行なんかもした。
一度、夜 千に悪いからと夜をあっちゃんに断った。あっちゃんは、「なんでやねん」という、結局あっちゃんを抱いた。とても気持ちよかった。
チボマットのムーンチャイルドが流れていた。
なんとなく、長く付き合うのならば、千。都合がいいからと、無意識に思ってしまっていたのだろう。もし、あっちゃんを選ぶ...振られるのがわかっていたから、告白できなかった。
僕は、千ととても長い時間を共有して、一緒にお好み焼きを焼いて。だけど僕は、とても自分勝手だった。
僕は、千を置いてインドに行く前に、清美という、グラフィックデザインを学ぶ女の子と、浮気をした。883でタンデムして、横浜の彼女の家まで行って、SEXに溺れた。
好きってなんだろう?
韓国と日本のハーフ、とてもきめの細かい素肌のもちぬしだった。
清美はお台場のジェラート屋でアルバイトをしていた。そして僕に、黒い太いマフラーをプレゼントしてくれた。
別れ話を僕から切り出した、最後は走り去る電車から中指を立てていた。
さらに、三軒茶屋で、出会いは僕からのナンパだと思うけど、メイクアップアートを学んだ、藍ちゃんという子と出逢う。
好みのタイプだった。
藍ちゃんが、アパートを引き払う前日、彼女を抱いた。その翌朝彼女は九州のコミューンに旅立つのだと言った。
藍ちゃんが3年暮らした、アパートの部屋でホワイトセージの束にいきよい良く火をつけて、僕が汚してしまった部屋を、浄化していたように思えた。
藍ちゃんは、僕に二つの品物をくれた。一つは、お風呂のバスタブに引っ付けるプラスティックの枕。もう一つは、荷造りにあまったナイロンロープの束、僕はナイロンロープの束を、持っていたらひょっとして、また再会できるかもと、一瞬脳裏をよぎったがすぐに捨ててしまった。
たった一晩の出来事だったけど、僕は藍ちゃんのことを好きだった。
千とは、絆で...
好きってなんだろう?
そんな大切なことも考えられずにいた。
まだ告白しなければならないことがある。
まだ、10代半ばごろに一緒にディズニーランドに行って、ペッティングまでした女の子、メグという子がいた、千と付き合っていた頃、再会した。
「明日結婚式なんだ」とメグは言う。
結婚式の前日、僕とメグはナイトクラブに遊びに行って、僕の両親や兄貴が留守にしている、僕の実家でメグを抱いた。
このころから、これを書いている、今は20年経つが、とても恥ずかしい。
性欲に任した、恋愛が統合失調症の引き金になったんだと思う。僕の場合は。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます