攻守交代

「ちょと…」


「コウちゃん♪」 


 彼女が付いてくる及びくっついてくる。目的地が同じ通っている学校なのだから、当然ではあるが、近い近い!色々当たるっ!吐息に!胸にっ!


 駅周辺は、特にマズイでしよ。クラスメイトに見られる。昨日の夜からのオールで朝から酔っ払った客と道端で抱き合ってるホストやキャバ嬢みたいなのは、通勤途中のサラリーマンや通学中の学生の怒りの導火線に引火させるだけでしょうに。


 通学路から少し逸れたガード下に二人きり。彼女を撒こうと早足で裏道の経路を使ったが、残念ながら俺の足は短く、いくら回転率を上げても距離が離れない、ぴったり磁石のように付いて来た。


 しかし彼女と二人きりになるいい機会になった。この場は行動から男らしさを全開に!問い詰めなければ!今までの先制攻撃に対して俺はひるむだけだった。なめられっぱなしは男の恥じ!


 俺は振り返り彼女に迫る、キスか抱きつかれるとでも思ったのか、逃げまわっていた小男の急接近に、彼女は怯み。壁側に逃げた。


 常に自信満々だったのに、なんだ可愛い所もあるじゃないか。


 彼女を追いかけ壁へ追い詰めると言うか問い詰めてやる!今まで、のエキセントリックな行動の理由を。昨日から振り回されすぎた。


 何故こんな事をするんだと問い詰めようと口を開いた瞬間、気が背っていたのであろう。早足で歩いていたせいもあり、足がもつれ彼女側に倒れ込んでしまった。まずい!抱きつきに来てると思われる。とっさに左腕を前に出し間一髪ぎりぎり体を接しなくて済んだ。

 図らずも初壁ドンをする事に、なってしまった。


「あわわわわわわ!私今、壁ドンをされている!それもコウちゃんに!」


(美人が赤面して、慌てている顔萌えます。)


 (じゃない!これは、問い詰める絶好の体勢じゃないか!)


 「上敷領さん…いや上敷領先輩!これまでの事はどういう事ですか!俺の家にまで上がり込んで!納得の行く説明をして下さい!」




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