6.仕事のやりがい

もやもやはあるにしても、仕事自体は順調に進み、2年目になった4月。はじめての後輩ができて少し自分にも自信が持てるようになった。


それまで自己評価が低く周囲の期待ばかりが上を行く感覚が不安を煽っていたが、右も左もわからない後輩を見て自分の成長を確かに感じた。


もしかしたら、周りの言う自分もそう遠く外れてはないんじゃないか。


そう思えるようになってからはさらに仕事に挑戦的になった。



この挑戦的な姿勢はクライアント担当者にもいい刺激を与えていたようで、社内の改革に挑戦しようと思うから力を貸して欲しいと相談が入った。


正直自分一人じゃ手も足もでない仕事。

それでもこんなチャンスはないし、何より担当者の力になりたかった。


このときが、始めてはっきりと自分の仕事のやりがいやモチベーションがどこにあるのか気がついた瞬間だったと思う。





「信頼してくれる人のために、自分がやれる精一杯のことがやりたい。」





「もしも」この時このことに気がつかなければ……。

そう考えてしまうこと自体、自分が自分でなくなっている証拠なのかもしれない。




営業としてこの思いを貫き通すには、営業という仕事として何が必要かを"理論上"分かりすぎてしまっていた。

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