5.確かに存在した努力

自己評価と比例はしていないが、こんな風に社内での期待が膨らむのには、それに値する努力が、確かにあったからだと自分でも思う。


クライアントの引き継ぎがあってからは、担当者に信頼してもらうためにはどうしたらいいかを必死に考えた。

これだけはどの先輩よりもじっくり向き合って考えたと言える自信がある。



「先輩たちより断然話すスキルが低い私にできる方法は何か」



メールの書き方だったり、笑顔だったり、時には担当者によってメイクを変えてみたり、服装を変えてみたり、いろいろ試した。


特にメールは誰よりも送信するまでに時間がかかっていたと思う。

もちろん、レスポンスの速さも大事だが、それ以上に相手の心に入り込む気の利いた内容がその時は必要だと思っていた。



神経すり減らして、一通一通のメールを大事に送信する。



口のたつ先輩からは、そんなことに時間を使ってると、仕事が増えたときに回らなくなるぞってありがたいお言葉も頂いたけど、これがそのとき最大限使える武器だったから…。




この努力の仕方は、信頼を得る上で正しかったようで、他の人よりずいぶん早く、深く担当者と繋がることができた。


お陰で、早い段階で新しい仕事の相談もきたし、自主提案する機会を作れたんだと思う。

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