ふたつ

一ヶ月がたって、彼氏を振り一人になったとていつ変わるか分からない。

変われれば良いとも思うが、変わるのは怖いと思う。

彼とは良く話すようになった、友達以上恋人未満というやつだろう。

機会があれば何度だって告白してくるから、少しだけ鬱陶しく思った。

優しい人だけど、色のない君はいつも何かを隠しているように思えて、怖い。

なんだかガラスのような彼は少しのことで壊れては周りを傷つけて、一人で泣く。

素敵な人だと思った。綺麗な人だと、見た目だけではなくて心が綺麗な人に思えた。

脆くとも、透き通って綺麗に輝くまっすぐな心は、私にはないものだった。


優しい光は、私を殺してしまうのではないかと思った。

だって、こんなに水分が減ってはいけないではないか。

だって、こんなに声が枯れては助けを求められないではないか。

彼は私を壊す人だ。彼は私を変える人だ。そんなこと、気付いていた。

彼の求める全ては私にあり、私の求める全ては彼にあったのだと。

それでも、私は君だけは好きになんてなりたくはなかったのに。

本当に酷い人だ、私の初めてをたくさん奪っていってしまうのね。

異性への恋も、嫌悪感も、断ることも、嫉妬も、独占欲さえも君で知った。

ずるいのよ、そんなにたくさん教えられては忘れられない。

「好きだよ……幸せになってよ……誰よりも幸せに……」

お願い、どうか、君が、私を嫌ってくれますように。

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スノードロップス 雪蘭 @snow1drop

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