スノードロップス

雪蘭

ひとつ

白い靄の中、なんだか分からなかったけれど告白されて、良いよと笑ってしまった。

この人は好きになれるのかな、どんな人なのだろう。

でもどうせ一年間好きになれなければ、私は別れを告げるのだろう。

私の性格が悪いのでしょう?こんなことおもってしまうなんて。

「本当に俺のこと好き?」あれ、私あなたに好きって言った覚えはないけれど?

「遊ばれてるんじゃないよね……?」好きにはなりたいけれどなれないの。

「俺と友達どっちが大事?」あーあ、地雷を踏んでしまうのね。

そんなことばかり聞く人なんて好きになれないの、もう二度と近付かないで。

そしてまた、別れを告げたのね。やっぱり。なんて失礼だろうか。

だんだんと薄れていく、貴方の姿を、私は、もう覚えていなかった。


眩しく目に染みるような朝日が当たって、私は目を擦った。

「なんだ、夢か」今の彼氏ともそろそろ終わりだからかな。

未だに顔も声もはっきりとは覚えられないほどの好感度の彼氏。

「あと、一ヶ月で終わり。次の人は好きになれれば良いな」

そんな日に彼に告白されたのだと、今でも覚えている。

そして人生で初めて告白を断ったのだと言うことも。

鮮やかな景色に色のない君が浮かんで見えたあの光景だけは、きっと永遠に忘れない。

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