第3話:俺があいつであいつが俺で(物理)
兄上そっくりな者が出した手につられてこちらも右手を差し出す。
ギュッ
その手を兄上そっくりな者は強く、また優しく握った。
「あ…‼︎
…お、俺は“佐吉”。“石田 佐吉”だ。名こそは上がってはいないが…その、よ、よろしく頼む」
最後は消え入りそうな声になったが、なんとか自己紹介をやりきったことに達成感を感じた。
…だが、しばらくしても握られた右手が解放されずに、手が若干汗ばみだしたのに気付いて手を握っている兄上そっくりな者を見ると、何やら頭を抱えていた。大丈夫か。
そう思いながら俺はその兄上そっくりな者の頭を少し撫でた。
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